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ひたち海浜公園や偕楽園など、観光地も充実

 観光地としては人気がいまいちの茨城県だが、ひたちなか市にある、ひたち海浜公園はネモフィラが咲き誇るゴールデンウィークには多くの人出で賑わう。山好きなら筑波山、海でサーフィンや釣りが楽しみたい人は鹿島灘や大洗海岸へ。大洗海岸から見る日の出は得も言われぬ美しさだ。冬は大子町の袋田の滝を訪れると、高さ120m、幅73mの滝が巨大な氷柱となる氷瀑を楽しむことができる。

 歴史に触れたい人は水戸の偕楽園がよい。偕楽園は1842年に9代藩主徳川斉昭によって造られた日本庭園で、岡山の後楽園、金沢の兼六園と並び、日本三名園の一つに数えられる。園内の梅は全国的に有名で毎年2月になると梅まつりが開催される。梅ばかりがクローズアップされるが、5月になると咲き乱れるつつじも見どころ十分だ。また秋の訪れを感じさせる萩の季節も見逃せない。偕楽園は全体が公園となっていて、その面積はニューヨークのセントラルパークに次いで世界第2位の広さを誇る。

ひたち海浜公園のネモフィラ ©iStock.com
水戸の偕楽園 ©iStock.com

 偕楽園を訪れる際に足を延ばしたいのが千波湖だ。この湖は水戸城の南側にあって外堀の役目をしていたが、戦後の埋め立てなどによって整備されたものだ。湖周辺を歩くとこの街の持つ独特の風情を感じることができる。梅やつつじの季節でなくとも、この散策路はゆったりとした時間の歩みを体感できる素敵な空間だ。

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中古住宅は取手付近で1000万円から

 実は茨城県には、生活するうえで魅力的な環境がいっぱいだ。不便だと散々腐されてきた鉄道も常磐線が上野東京ラインで品川までつながるようになり、つくばエクスプレスは東京への距離をぐっと縮める役割を果たした。たまに東京に出向くくらいならこの程度の交通網で不足はないだろう。むしろ県内には東京にはつながらないが、福島県郡山市とつながり紅葉が見事な水郡線をはじめ、ひたちなか海浜鉄道、鹿島臨海鉄道など、地域の魅力をたっぷり味わえるローカル鉄道もあり、おすすめだ。

ひたちなか海浜鉄道の中根駅 ©iStock.com

 道路も常磐自動車道は東北道よりも空いていて運転がしやすいし、圏央道も整備されて成田方面へのアクセスも飛躍的に向上した。首都圏第3の空港、茨城空港からは札幌、神戸、福岡、那覇の各都市へ、国際線も今はコロナ禍で休止中だが上海や西安、台北などとつながる。

 こうした生活環境を享受できる茨城県。家も格安だ。取手あたりでも駅徒歩15分以内、築20年以内の中古住宅が1000万円から2000万円台、水戸でも3000万円台で手に入る。ねらい目といってよいだろう。今年も秋には都道府県魅力度ランキングが発表される。茨城県の躍進を期待したい。