いま世の中全体がこれだけフェイクニュース対策をしようと頑張っているところで、吉村洋文さん自らが率先して「イソジンが重症化対策に効く」とか言った結果、コロナ騒ぎ初期のトイレットペーパー買い占め騒動にも匹敵するイソジン買い占めに国民が走ったことについても思いをはせるべきだと思うんですよ。翌日の8月5日にも「釈明記者会見」をやっていましたが、主張していることを「誤解」されているとしつつも、結局はイソジンが何らかの効果がある前提での話になっていて、アチャーと思うわけであります。そうじゃないだろ。
これはもう『イソジン吉村』と『日本イソジンの会』の爆誕ですよね。
いくらピュアでも浮かれて記者会見をしちゃ駄目
もちろん、吉村洋文さんはピュアにコロナウイルス騒ぎで困っている人たちのために、重症化してしまう国民を一人でも減らしたいという想いで黙っていられず記者会見してしまったのかもしれない。
ただ、ちょっと考えれば分かることだと思うんですよ。重症化はもっぱら肺や全身の血管で発生しているのに、飲むわけでもなければ、のどの表面のウイルスを除去できるだけであるイソジンが重症化予防に効果的なはずはない、って。のどの表面からイソジンでウイルスを取り除いて、唾液によるPCR検査をしたらウイルスが見つかりませんでした、凄い! という話だけでハメ外し過ぎじゃないですかね。
ひょっとすると、軽症者や無症状感染者の多くはのどにしかコロナウイルスがいないのでイソジンを使うことで症状の悪化を抑えられる可能性はあるかもしれない。でもそうであればこそ、論文もまともにない状態で浮かれて記者会見をしちゃ駄目だと思うんですよ。
見栄えは良いんだけど、危なっかしい
この吉村洋文さんの「軽さ」と言いますか、表に出られる優れたリーダーシップの割に言葉と脳みその軽い感じがまた、どうしても小泉進次郎くささを感じさせるんですよね。見栄えは良いんだけど、危なっかしいという。
その点で、同じくコロナ対策で大阪独自のコロナ指標として話題になった「K値」に関しては、提唱した中野貴志教授・核物理研究センターも宮沢孝幸准教授・京大ウイルス再生研も、それが感染者の将来を予想する推移モデルという形では何ら立証することができず、証拠(エビデンス)はどこにあるのって話が完全に抜け落ちてしまっています。