検証可能な論文にまでなっていないどころか
いやー、馬鹿なんですかね。成分であるポビドンヨードには殺菌効果があり、医療機関でも一般に使われているものですから、確かにコロナウイルスを壊す効果はあるかもしれないけど、それが配合された「イソジン」などのうがい薬が「コロナウイルス感染者の重症化予防に効果がある」なんて話には一足飛びにはならんわけですよ。
どうも話を良く聞くと、検証可能な論文にまでなっていないどころか、そもそもまだ「イソジンでうがい」「水でうがい」「何もしない」に軽症者や無症状感染者を分けて経過を見たり、喉や鼻腔などでのウイルス濃度を測定して感染力の強さを調べたりといったこともしていないようです。
さすがにこのレベルで大阪府知事が記者会見に出てきて「研究論文がまとまる前に、一定の効果が出た段階で呼びかけた」とかとぼけたことを言っている場合じゃないんですよ。一緒に記者会見に出てきた研究者の人も、相当なお調子者なんじゃないかとすら思います。大丈夫なのでしょうか。
イソジンは医療用医薬品なので、転売そのものが違法です
お陰でテレビでもネットでも報じられて、うっかり真に受けた国民が薬局に走り、メルカリなどでは転売ヤーの皆さんがウッキウキでイソジンうがい薬を陳列しておられます。いやいや、いまあなた方が転売しているそのイソジンは第3類医薬品なので、転売そのものが違法です(薬機法24条1項)。お巡りさん、こちらですよ。
それにしたって、府知事が出てきて記者会見やって「イソジンに効果ありまぁす」とか言っちゃったら、そりゃ買い占めのひとつも起きますって。マズいでしょ。
さすがにヤバいと思ったのか、吉村洋文さんがTwitter上で急遽釈明をおっぱじめました。
ポピドンヨードの効能としてコロナに効くとは薬事法上も言えません。松山先生の臨床研究成果の公表です。今後、大阪のホテル療養者向け第二次の大々的臨床研究にも府は協力します。新薬でもなく、昔からあるうがい薬、試す価値はあると思ってます。用法用量はお守り下さい。医薬品の転売は犯罪です。
— 吉村洋文(大阪府知事) (@hiroyoshimura) August 4, 2020