90年代後半から00年代前半に出演したドラマが次々と大ヒットを記録し、「連ドラの女王」の異名を持つ常盤貴子が、ここにきて再ブレイクの兆しを見せている。うまく肩の力を抜いた自然体な様子で、ドラマ、映画だけでなくバラエティ番組やSNSで今また脚光を浴びている。
現在公開中の大林宣彦監督の遺作『海辺の映画館 キネマの玉手箱』でも、移動劇団「桜隊」の看板女優・園井恵子をはじめ6役を見事に演じた。
『愛していると言ってくれ』(TBS系/1995年)や『ビューティフルライフ~ふたりでいた日々~』(TBS系/2000年)といった社会現象化するほど大ヒットしたドラマはもちろん、『真昼の月』(TBS系/1996年)、『カバチタレ!』(フジテレビ系/2001年)、『ロング・ラブレター~漂流教室』(フジテレビ系/2002年)といったほかの常盤貴子主演作もリアルタイムで視聴していた筆者が、なぜ再び彼女が求められるようになったのか考えた。
◆ ◆ ◆
女優人生で唯一引退を考えたシーン
常盤貴子は連続ドラマから離れていた時期もあったが、昨年は『ビューティフルライフ』以来、19年ぶりにTBS日曜9時のドラマ『グッドワイフ』に主演で返り咲く。今年5月31日からは4週に渡って『愛していると言ってくれ 2020年特別版』が再放送され、今観ても色褪せぬ作品の抒情的なストーリーや、常盤貴子の初々しくも芯の通った演技がツイッターなどで大きな話題になった。
一方、7月23日に出演した『櫻井・有吉THE夜会』(TBS系)では見事な存在感を放ち、番組出演者や視聴者をざわつかせた。最終回で最高視聴率41.3%(ビデオリサーチ調べ/関東地区)を叩き出した恋愛ドラマ『ビューティフルライフ』で常盤貴子演じる杏子が、余命宣告を受けて真冬の湖で入水自殺しようとするシーンで女優人生で唯一引退を考えたと語り、「寒すぎた」というシンプルな理由をざっくばらんにぶっちゃけて、笑いを誘ったのだ。