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《港の倉庫に荷揚げされたものが、なぜかそこに放置され続けてきたようだ》

 同じく反ヒズボラであるアラブ首長国連邦資本の「スカイニュース・アラビーヤ」は、《爆発した硝酸アンモニウムはロシア人の所有する船に積まれていたもので、本来モザンビークに運ばれる予定だったが技術的問題が発生してベイルート港に停泊。その時、港の倉庫に荷揚げされたものが、なぜかそこに放置され続けてきたようだ》と報じた。《税関や港の管理者の中には、この存在と危険性を認識していた人が複数いた》とも伝えている。

瓦礫だらけのベイルートの街中 ©getty

 またイスラエルの「エルサレム・ポスト」は爆発の翌日、《ヒズボラはロンドン北西部の4カ所に数千個の保冷剤にアンモニウムを入れたものを備蓄しており、2015年にMI5とロンドン警察がこれを発見、押収した過去がある》と伝えた。

 さらに《ドイツで、2020年4月のヒズボラのテロ組織指定後に行われた捜査でも、ヒズボラが備蓄していたアンモニウムが発見された》とも報じている。

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 ヒズボラから直接攻撃を受けているイスラエルのメディアが、ヒズボラに敵対的な報道をするのは言うまでもない。

 レバノン・メディアには当初、「自分はミサイルが撃ち込まれるのを見た」と証言する人も登場したが、レバノン当局も、また中東の他のニュース・メディアも、現在のところ、爆発は事故の可能性が高いとしており、攻撃やその他、意図的なものであったとは見ていない。

 中東メディアは、瓦礫の下から10時間ぶりに発見された人がいるといった救出の模様や、近隣諸国が続々と支援物資や医療団などを派遣する様子も報道している。

 被害の全容はまだ判明していない。

爆発の中心となった港は大きく抉られてしまった ©getty