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《私がテレビに出始めた頃は、けっこうキツい感じというか、毒舌でどんどんいく感じの女の子が多くて、それこそ戦場みたいな雰囲気でした。なので私みたいにフワーッとしていると置いていかれちゃうんですよ。だからほんと「向いてないなぁ」って。でも志村さんと共演するコント番組は、そんな私を必要としてくれたし、ちゃんと居場所がありました。志村さんと、志村さんの信頼しているスタッフさん達が、私の言うことで笑ってくれるのが本当にうれしかった》(※4)

“結婚説”志村けんは「30歳違うだけだよ」

 初共演から10年以上が経った2011年の対談では、志村に《優香だと必ず何か返ってくるから安心してできるんだよね》と言わしめた(※5)。このころには、志村の深夜の冠番組のコントで夫婦役も演じるようになっていた。同じ対談では進行役から「お似合いの夫婦に見える」と言われ、優香が《それは困ります。だって、志村さんって私の両親と同い年なんですよ》と返し、それに志村が《30歳違うだけだよ》と混ぜっ返すも、すかさず《30歳も!!ですよ》とツッコみ、絶妙なコンビネーションを見せた。2人のあいだに何度となく結婚の噂が立ったのもうなずける。志村の番組を長らく手がけてきた演出家の戸上浩もまた、優香について《僕が思うのは、志村さんが完全に許しているっていうことかな。志村さんと共演ともなれば、臆してしまうのが当たり前。でも優香は堂々としている。おそらく志村さんと共演して自分の言葉を話すことができる唯一の女性タレントなんじゃないですか》と評している(※4)。

1998年、ファーストビデオ発売記念イベントで

志村がアドバイスした「芸能界で長生きする秘訣」

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 やはり長らく続いた『志村けんのバカ殿様』(フジテレビ系)で、少年時代のバカ殿の遊び友達として登場した“優香姫”も印象深い。いつもハイテンションの優香姫が、バカ殿を時折たじたじにさせるのが笑いを誘った。のちにNHKの時代劇『ちかえもん』(2016年)で優香は年増の遊女を演じたが、そこで彼女が、なじみの客である主人公・近松門左衛門(演じたのは松尾スズキ)を巧みにあしらうさまに、これぞバカ殿仕込みと思ったものだ。優香はこのドラマで謎の渡世人を演じた青木崇高と、放送終了からまもない6月、36歳の誕生日に結婚した。青木に対し優香が感じたのも絶対的な安心感だった。『ちかえもん』で初めて京都で撮影にのぞんだ彼女は、大阪出身で京都にもくわしい彼に色々と教えてもらい、すごく頼りになる人だと思ったという(※6)。