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「男性との結婚ってこんなにラクなんだ…」バイセクシュアルの元カノが感じた「同性と生きる壁」

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誰かの存在や関係性を社会が勝手に否定すること

 冒頭に述べた、異性カップルにとっては当たり前のことたち1つひとつで見れば、それは小さなことかもしれません。しかしそれが日々積み重なることで、関係性を否定されているように感じます。また犯罪被害給付金という、非日常的な緊急事態が起こった際には、さらに大きな“社会からの否定”を受けてしまうという現在の社会。

 たとえば救急車で緊急搬送される際の連絡先に同性パートナーを認めてもらえなかったという出来事も、過去にパレットークで漫画としてご紹介しました。

同性のパートナーは認められない? - 今の日本を生きるひとりのゲイが伝えたいこと
https://note.com/palette_lgbtq/n/n3b1f332ec2a2

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 また現在も全国で進行中の同性婚訴訟のなかで国側は、「想定されていない」という主張を繰り返しています(「同性婚訴訟を傍聴して感じたこと - すべての人が“想定される”社会に向けて」)。

 長年連れ添った大切な人を亡くした悲しみや経済的な負担に、異性か同性かでどのような違いがあるというのだろう。

 そもそも婚姻の平等が実現していない社会では、法的な家族になることができない人が多くいます。その状況でさらにこのような判決が出ることに対して、強い憤りと悔しさ、悲しさを感じざるを得ません。

 カップルの関係性や、共に生きている生活の時間を勝手に否定することなど、誰にできるのでしょうか?同性であるというだけで、異性の関係性より価値がないなどと、誰が言うことができるのでしょうか?

 今回の判決や、同性間の婚姻を認めようとしない国の態度は、この社会に確実に生きている多くの人の存在を否定するのと同じこと。あらためて、誰1人として属性などによって存在を否定されることのない社会を求めていかなければならないと強く思いました。

(漫画:keika、編集後記:伊藤まり

 パレットークでは、「こうあるべき」を、超えてゆく。をテーマに、LGBTQ+、フェミニズム、多様性について、漫画やインタビューを通して発信している。

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