怒涛の8連戦もやっと終わりが見えてきました。先週13日から20日までぶっ通し、仙台から札幌に移動した日も試合ですよ。いやはや泣く子と地頭と雨天中止には勝てません。

 それでも札幌ドームに戻ってからは、「北海道シリーズ2020 WE LOVE HOKKAIDO」限定ユニフォームが再登場しているので個人的に勝手にテンション上がっております。正式に言うとあまりにも長ったらしいのでファンも選手達自身もウポポイユニフォームと呼ぶことの多いこの白いユニフォーム、好きなんですよー。「WE LOVE HOKKAIDO」シリーズは2007年から行われていますが、今までのこのシリーズで一番好きかもしれません。

ウポポイユニフォームを纏った選手たち

これは選手のための、北海道のチームの印なんだ

 とはいうものの、実は最初に限定ユニフォーム発表のニュースを観た2月、第一印象で思ったのは「これ好きだな」と同時に「でも地味だけど」でありました。

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 これまでずっとイベントユニフォームといえばはっきりした色が目を引くデザインばかりでしたが、今回は袖のクリーム色も肩のグレーも薄く淡い色合いで、魔よけの意味を持つというアイヌ文様「モレウ」も、淡いグレーに白の渦巻きではよくよく見ないと判りません。すっきりして格好いいけど、遠目にはただの白一色にも見えそうだなあ。

 で、レプリカユニフォームを買うことにしたのです。遠目には判りにくそうだから、ならば間近でよく見なければ。「WE LOVE HOKKAIDO」シリーズは来場者全員にユニフォームプレゼントという日が必ずありますが、ただしこういう配布用ユニフォームは、販売されるものと同じではないですからね。胸の文字や袖のロゴマークが刺繍ではなくプリントだったり、そのプリントされている生地も違ったり。それではやっぱりちょいとさみしい。全選手対応数量限定受注販売、中島卓也の背番号9で申し込んだのでした。

 もちろんレプリカは選手着用の実際のものとは異なる訳で、たとえば袖の色が濃くなっていたりもします。ビジターユニフォームのゴールドと同じ感じでしょうか。こういう元々の相違点とは全く別のところで、手元に届いたユニフォームはやはりPCやテレビの画面で見た印象とは違いました。モレウの渦巻き文様、細い線だけど見えにくくなどありません。はっきり、くっきりと判ります。近くで見たらこうなんだ。

 と思った時に気がつきました。選手はこれを見てるんだ、と。

 そして思い出しました。プロ野球ではなくJリーグのユニフォームの話なのですが、北海道コンサドーレ札幌のアウェイ用ユニフォームの本物を見たことがあるんです。2018年使用のもので、水色と白のグラデーションに雪の結晶、背中に北海道の形が入ったデザイン。ただしこれも、そう言われても遠目にはよく判らない。ウポポイユニフォームとおんなじです。こんな薄い色で模様を入れてもスタジアムの観客席から判別できるものではありますまい。

 としか思ってなかったんです。実際に実物を目の前で見るまでは。

 近くで見れば明瞭でした。淡い水色の中に散らばる白い雪の結晶も、北海道のシルエットも。選手はこれを見てるんだ。これは、選手が見るものなんだ。

 着る時に、脱ぐ時に、いちいち意識はせずとも必ず目に入る。試合中にチームメートを見れば必ず見える。これは選手のための、北海道のチームの印なんだ。

 ということをデザインした人が本当に考えていたのかどうかは判りませんが、その時の私はひとり勝手に、目からうろこが落ちたような思いだったのでした。