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「ぜひ一緒に優勝したい」 ロッテ・澤村拓一と鳥谷敬の“知られざる縁”

文春野球コラム ペナントレース2020

2020/09/19
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 人生は不思議なものだ。ジャイアンツとタイガース。伝統の一戦として何度となく激闘を繰り広げてきた2人が今、マリーンズにいる。3月に入団をした鳥谷敬内野手と9月にトレードで加入した澤村拓一投手。通算対戦は78打席。66打数22安打(12四死球)。これが2人の対戦成績だ。

澤村拓一 ©:千葉ロッテマリーンズ

マリーンズ入団前の澤村と鳥谷の関係性

「いやあ、嫌な打者でした。ランナーがいる時は引っ張られて一、二塁間を抜かれるイメージ。対戦をしていて抑えるのが難しい打者でした」

 マリーンズのユニホームを身にまとった澤村はルーキーイヤーの11年から昨年まで繰り広げてきたやるか、やられるかの対決を振り返った。

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 忘れられないのは13年9月6日の甲子園でのナイトゲーム。4万6821人の大観衆が見守る中、ゲームが始まった。この試合で先発した澤村は初回に鳥谷に左翼線二塁打を打たれると、3回には右前適時打。5回には右翼スタンドに3ランを浴びノックアウトされる。この試合で鳥谷は4打点。通算で与えたのは7打点でこの年だけで6打点。澤村は通算で8個の打ち取った三振、44個のアウトよりも悔しい想いをしたこの試合が忘れられない。

 そんな2人だが何度か一緒に食事に行ったことがある。澤村がプロ入りして間もないころに都内で食事をする機会に恵まれた。それからグラウンドでも会話を交わすようになり、その後も何度か食事を共にしている。

「一言でいうとカッコいい。プレーをする姿はもちろん。普段もファッションリーダーのような人。食事に誘っていただいても、いつも『ああ、カッコいいなあ』と見ていました。話をする内容もカッコよくて奥が深い」と澤村。

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