尖閣諸島(沖縄県)を日本から奪取することを狙う中国の動きが激しさを増している。

 今年4月14日から8月2日まで111日連続で中国公船が尖閣諸島周辺海域を航行し、日本の領海内に長時間の侵入を繰り返した。中国公船は、尖閣周辺で操業を行っていた日本漁船を追尾するなど、威嚇的な行動にも出ている。

 さらには8月16日に中国側が設定した禁漁期間が終わるとともに、膨大な数の中国漁船が尖閣諸島周辺海域に現れ、操業を行っている。

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尖閣海域に現れた中国公船(手前側)

 2012年に東京都が尖閣諸島の購入計画を発表して以来、中国は激しく反発。尖閣諸島周辺海域に中国海警局所属の船舶などを出没させ、日本側に圧力をかけてきた。

 当初は中国側に緊張感はみられず、甲板上で船員が卓球に興じたり、少しでも海が荒れるとそそくさと引き上げるのが普通だった。

まるでサラミをスライスするように

 ところが昨年末頃から、中国側の態度が一変した。

「まさに“人が変わったように”と表現できるほど、公船の動きは緊迫し、かつ活発化している。特に、軍艦のような3000トン級の超大型の公船を尖閣諸島に投入し、領海侵犯を繰り返すようになってからは、台風が来て大波に洗われても離れず、いつでも領海侵犯を狙っている強い意志を感じている」(国土交通省関係者)

習近平国家主席

 圧力をかけ続け、あたかもサラミソーセージを薄くスライスするように、1枚ずつ相手国の防衛線をはぎ取り、最終的には領土・領海を奪取してしまう――これは南シナ海で中国がベトナムやフィリピンを相手にやってきたことだ。それとまったく同じことを日本相手にやろうとしていることが感じられる。

 だが、日本は中国の横暴を黙ってみているわけではない。