「菅さんは農家出身で、努力してきた人です。それは事実ですが、父親は満鉄(南満州鉄道)に勤務し、戦後はイチゴの新品種を開発。母親は教員で、菅さんの2人の姉も大学を出て教員になりました。そして菅さんの3人の息子は皆大学を出て、1人は東大です。今言われるほどの“田舎者”ではありませんし、エリートでもあるのです」(政治担当記者)
「庶民の気持ちを知っている」と評価されているが……
秋田県の農家に生まれ、高校卒業後に上京して就職、その後苦学して大学を卒業し、政治を志して国会議員秘書に……次期首相就任が有力となった菅義偉官房長官の経歴が繰り返しこう紹介され、その叩き上げ振りと、パンケーキが大好きというギャップに好感度が高まっている。
携帯電話料金の値下げを求める独自の政策も、庶民の気持ちを知っているとして評価が高い。
「金持ちの家に生まれた世襲議員の安倍首相や麻生財務相は携帯料金なんて関心を持たなかったし、電話料金がいくらかかっているのかも知らないでしょう」(同)
しかし菅官房長官が首相に就けば、厳しい「自己責任」を求める可能性が高いという。
「努力して成功した分、周りも頑張って当然」
「菅さんは国会議員の秘書だった時、『菅さんがいなければ事務所が回らない』と言われたほど働いたし、横浜市議になって誰よりも選挙区を回りました。今は官房長官として1日2回の会見をこなし、夜は会食を3階建てで回し、翌朝5時に起きるのです。
これだけ努力して成功した分、周りも頑張って当然と考えがちで、努力しない人にはドライな印象です」(同)
実際、「私は性別問わず、きちんと仕事をする人が好きです」と語っている(『週刊文春WOMAN』 2019夏号』)。
多くの人の話を分け隔てなく聞くという菅官房長官。“指南”を仰ぐ1人が、90年代にゴールドマン・サックスで日本の不良債権を追及し、現在は文化財修復の小西美術工藝社社長を務める英国出身のデービッド・アトキンソン氏だ。