「大麻は自分が吸うために持っていたものです」

 大麻取締法違反の疑いで警視庁に逮捕された俳優伊勢谷友介容疑者(44)の供述内容が明らかになった。自宅捜索の結果、大麻4袋20・3グラム(40回分)、吸引具3つ、巻紙500枚が押収されているという。

伊勢谷雄介容疑者 ©AFLO

思わぬ形で近づいてくる売人たち

 押収量から常習性の疑いが強いが、今後の注目は、伊勢谷容疑者の薬物キャリアだ。何年前からどういう経緯で手を染めたのか、他の薬物は使用していたのか否か…。事件内容を鑑みると、伊勢谷容疑者は起訴され、有罪判決を受ける可能性が高く、法廷でも「二度と手を染めることはありません」と宣言するだろう。そして、一定期間の謹慎を経て、芸能活動を再開するかもしれない。

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 だが、事件前と同じようにドラマ、映画に多く出演することは考えにくい。2009年、覚せい剤取締法違反の罪で有罪判決を受けた酒井法子の事件を境に、スポンサーの目はより厳しくなり、テレビ局、映画会社は、薬物使用歴のあるタレントの起用をためらうようになったからだ。

酒井法子 ©文藝春秋

 捜査関係者によると、罪を償っても、元の状態に戻れず、苦しむ芸能人は、再び売人のターゲットになっていくという。しかし、「2度目」の逮捕となれば、再起の可能性がさらに厳しくなることは、本人や周囲も分かっている。だからこそ、クスリに絡む交友関係を断絶するのだが、売人たちは思わぬ形で近づいてくる。

「1つは郵便ポストです。薬物に手を染めた芸能人たちの自宅は、逮捕された時などにテレビに映し出されて、ネット情報も合わせて、すぐに住所を特定されます。そこで、売人はターゲットにした芸能人が、精神的に辛くなっているタイミングを見て訪ねていく。当然、1対1になることは難しいのですが、家に1人でいる期間を見計らい、微量のクスリと連絡先を書いたメモを郵便ポストに入れておく。そして、目に触れさせる。そうすれば、当事者は、使用していた時の快感、多幸感を頭に蘇らせて、再び使用を始める。そして、そのメモに連絡を入れることになるというのです」(薬物事件取材をしてきた社会部デスク)