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「みんな『大丈夫』って言うじゃないか。それが一番危ないんだよ」

 現実に売人のターゲットにされてきたのは、薬物所持、使用などでの逮捕を繰り返している田代まさしだ。2016年2月7日放送のフジテレビ系「Mr.サンデー」で、最初の服役後、2年半断っていた薬物に再び手を染めることになった出来事を生々しく語っている。

「イベントに呼ばれて行ったら、サングラスしたお兄ちゃんが、『お気持ちお察しします』って握手してきて、手渡したの、何かを。何だろうと思って楽屋帰って開けてみたら、覚醒剤のパケ(ビニールの小袋)だった」

 田代は、捨てようとはしたものの、衝動にかられて「1回だけやってみよう」と思って使用。だが、手渡された小袋には、売人の電話番号が書いてあったという。

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「そしたら、次から次へと……。やめられなくなっちゃう」

田代まさし ©共同通信社

 そして、2018年10月29日深夜放送AbemaTV「スピードワゴンの月曜The NIGHT」では、「芸能人ダルク」設立の可能性を問われ、「オレみたいに『クスリを目の前に出されたら、断る自信がない』って正直に言えなくて、みんな『大丈夫』って言うじゃないか。それが一番危ないんだよ。あと、売人も集まってくるから。日本じゃ、できないんじゃないか」などと話している。

「一度、手を染めさせたら、骨の髄までシャブるのが売人たち」

 田代に限らず、一般人も含めて薬物事件の再犯率が高いことは広く伝えられているが、その背景には売人の存在がある。特に若くして成功し、金を持っているアイドル、俳優たちに、クラブやバーで近づくケースが多く、複数の捜査関係者が、その怖さを口にする。

「一度、手を染めさせたら、骨の髄までシャブるのが売人たち。逮捕されて、有罪になっても、不安を抱えながら生きる芸能人はターゲットにされ続けます」

 伊勢谷容疑者は2012年2月、公式ツイッターに寄せられたユーザーからの「大麻を使用したことで人生を無駄にはしてほしくない」とのツイートに、「大麻で人生崩壊するのは難しいと思うけどな。それならお酒の方が簡単だ」と返している。

 今回の逮捕で、順調だった人生の歩みは、大きく崩れた。そして、深く反省し、後悔していることだろう。それは、同じ薬物事件で執行猶予期間中の田口淳之介、ピエール瀧、沢尻エリカも同じに違いない。しかし、気を緩めれば、売人はスッと近づいてくる……。本人だけでなく、親族や周囲もそのことを決して忘れてはならない。

©AFLO