「まだ私が国会議員になる前、田中角栄先生に『総理総裁は努力だけではなれない』と言われたことがあります。今回の総裁選も、努力だけではどうにもできないことが多いことは承知しています。しかしながら、そのような厳しい状況でも“やらなければいけない時”というのは存在するんじゃないでしょうか」

「文藝春秋」10月号のインタビューでそのように決意を語るのは、自民党総裁選に立候補した石破茂氏だ。

石破茂氏 ©文藝春秋

「党員を大事にできないようなら、国民からも見放される」

 今回の総裁選は、投票権を国会議員と都道府県連の代表者に限る「簡易総裁選」の方式をとることが総務会で決定され、100万人以上の自民党員には投票資格が与えられないこととなった。これには党内の議員から批判の声が多くあがったが、石破氏も強い言葉を投げかける。

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「党員を大事にできないようなら、遅かれ早かれ、国民からも見放されるのではないでしょうか。最終的には国政選挙で、国民から“しっぺ返し”を食らうことになります。野党の体たらくを見て『どうせ勝てる』と思うとすれば、それは驕りです」

©文藝春秋

 今回最有力候補の菅義偉官房長官については、二階俊博幹事長が早くから支持を表明した。その二階氏と言えば、今年6月、今月開催予定の石破派パーティーの講師依頼を快諾し、「(石破氏は)高みを目指してほしい期待の星の一人だ」と発言して話題になったばかりだったが――。