「僕の大きなゴールのひとつに海外のステージに立ちたいというのがあって」
また、能天気な奴にしか見えなかった慶太が、「父さんにダメ出しされまくってまだ一回も実現してないんだよね~」と言いながら玲子に幼い頃から描き溜めていたオモチャのアイデアや企画書を見せるシーン。ここでは三浦さんの誕生日4月5日に発売された著書『日本製』掲載のインタビューでの、目標をめぐる言葉が思い返された。
「30歳になる年を迎えるにあたって漠然と、頑張って海外の作品にも挑戦したいという想いはあります。(中略)僕の大きなゴールのひとつに海外のステージに立ちたいというのがあって」
『太陽の子』のあるシーンでも、この発言が脳裏に浮かんだ。兄・修(柳楽優弥)と幼馴染み・世津(有村架純)と戦争が終わった後に叶えたい夢を語り合い、「そやな。いっぱい未来の話ししよう!」と答える裕之。その穏やかなようで寂しげでもあった表情にこみ上げてくるものがあったが、アイデアのファイルを手にして少しションボリした顔を玲子に見せる慶太にもなんだか刺さるものがあった。
「私は1ヶ月前からひとつ変わらない思いがあります。この『おカネの切れ目が恋のはじまり』というドラマを皆様に楽しんでもらいたいという気持ちです。
大変な状況のなかで、学校や会社があるなかで、「火曜日は『カネ恋』だ」と楽しみにしてもらいたいという気持ちは変わっていません。(中略)精進してまいりますので、もしあたたかく見守ってくださったら、これ以上のことはないです。がんばります」
ラジオで『おカネの切れ目が恋のはじまり』について、こう締めくくった松岡。たしかに辛くなる瞬間も訪れるが、クセありだがどこか憎めない猿渡慶太の今後、そんな愛すべき彼のキャラクターを巧みに体現する三浦さんの演技を見たいのも事実だ。あと3回、心して『カネ恋』に向き合いたい。