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代官山や自由が丘にはない、石田衣良さんの考える「池袋」の魅力

「池袋ウエストゲートパーク」アニメ化インタビュー

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『池袋ウエストゲートパーク』は、作家・ 石田衣良さんのデビュー作品であり、ドラマ化もされ、誕生から20年以上のいまも続く大人気のシリーズだ。石田さんが2020年のいま、原作者としてアニメ化に期待することとは?

※ こちらは『アニメ「池袋ウエストゲートパーク」キャラ設定資料集&インタビューBOOK』より、石田衣良さんのインタビュー記事を一部抜粋したものです。

アニメ『池袋ウエストゲートパーク』の主人公・マコト。©石田衣良/文藝春秋/IWGP製作委員会

一番難しかったのはタカシの謎めいたイメージをキャラクターにすること

――IWGPはこれまでにも多くのメディアミックスがされてきた作品です。アニメ化にあたり、キャラクターデザインの印象はいかがでしたか。

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アニメのキャラクターをデザインされた谷口淳一郎さんは、人気作品を数多く手がけている、とても実力のある方ですよね。それは知っていたので「どうキャラクターを料理してくれるのかな」とできあがりを楽しみにしていました。
マコトのイメージはわかりやすく、温かみがあるけれど、少しワルそうなこともしている街の青年ということで、すんなり受け入れられるのかな、と思います。

――タカシのビジュアルに関してはいかがでしょうか。

実は、一番難しかったのがタカシなんです。スタッフさんと最後まで話し合って、結局決まらなくて……。リアルなだけではいけないし、彼の持つ優しさ、怖さ、そして冷酷さやカリスマ性を表現しないとならないので。最終的には監督にお任せしました。

タカシ(左)とマコト(右)。二人は高校時代の同級生だ。©石田衣良/文藝春秋/IWGP製作委員会

ビジュアル面で僕が出したリクエストは、タカシはGボーイズの中でひとりだけハイブランドを着こなすようなイメージに、ということ。周りみたいにチーマーっぽい服装をしていなくて、「この人はみんなと違うよね」という謎めいた雰囲気を持っているキャラクターなんですよね。ひとり、異世界にいるようなイメージです。