――そんななか、小説の題材として描きたくなるような街の魅力はどこにあるのでしょうか。
おしゃれすぎない街、というのがいいですよね。表参道みたいに、若い人がパンケーキを食べたり、タピオカを飲んだりしに遊びにくる街ではなくて、自由が丘とか代官山のような雰囲気でもなく……。
幅広い年齢層の人がいる街ですよね。池袋は、少し街の繁華街から離れると住宅街があって、お年寄りから子供まで、みんな普通に生活をしている街なんです。地方出身の人もいるし、若者も多くて……。だから、逆にいろんな人を主人公に小説を作りやすいです。代官山のお話だったら難しいもんね(笑)。
――2020年の今、池袋を舞台に書いてみたい気になるテーマがあれば教えてください。
西口公園に「グローバルリング」ができて、ほかにも再開発をしていますよね。それが街の人々にどんな風に受け入れられていくのかな、と気になっています。
再開発があって、マンションが増えて、若い家族世帯も多くなりました。昔は、池袋が住みたい街のベスト10に入ってくることなんてなかったんだけど、今は入っている。子育てをする人も増えて、暮らしやすい街になってきた。
それと、外国の方たちがこれからも一定の割合で増えていくでしょう。今の池袋にはエスニックのおいしいお店もたくさんありますね。外国の人が今後どうなっていくのか、それも面白いところだと思っています。
『アニメ「池袋ウエストゲートパーク」キャラ設定資料集&インタビューBOOK』では、石田衣良さんの他、マコト役・熊谷健太郎さん、越田知明監督のインタビューも収録しています。個性豊かなキャラクターたちの設定画も多数。ぜひお楽しみください。