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さらに、このネタはオチもきれいに決まっていた。コントにおいてオチは必ずしも重要なものではなく、かつてのジャルジャルのコントでははっきりしたオチがないものも多かった。だが、このネタでは明確なオチが用意されていた。
大きな音を出しまくる後輩にあきれて、先輩は一度はその場を立ち去る。だが、すぐに戻ってきて「お前を置いて逃げるわけないやろ。こんなにかわいらしいやつ」と言って、2人で一緒に部屋を出ていく。何とも心温まるオチだった。
ジャルジャルに1つだけ足りなかった“パーツ”
ジャルジャルは、そのネタと演技が機械のように正確無比であることから「人間味がない」と批判されることも多いコンビだった。
コントの天才であるはずのジャルジャルが『キングオブコント』でどうしても勝ち切れなかったのは、そこにも原因があったのではないか。機械的な展開や投げやりなオチのせいで、人間味がなくて物足りないというふうに思われていたかもしれないのだ。
私は、2本目のコントのオチを見て、あのジャルジャルがついに「人間味のなさ」という欠点を克服した、と感じた。短いネタの中で、空き巣の2人の普段の関係性や、お互いをどう思っているのかということが自然に伝わってきた。
コントを演じるために必要なすべての部品を揃えていたはずの「コントマシーン」ジャルジャルには、1つだけ足りない「人間味」というパーツがあった。そのパーツを補ったことで完全無欠のコントマシーンとなった彼らは、悲願の優勝を果たしたのだ。