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人気を牽引したのは“ニッキ”

 デビュー曲「仮面舞踏会」はオリコン1位に輝き、翌1986年のNHK「紅白歌合戦」に初出場した。白組司会の加山雄三(83)が、真面目な顔で「仮面ライダー」と間違えて楽曲紹介したのも話題を呼んだ。そういう意味でも“持っている”グループだった。

 その後も「デカメロン伝説」「ダイヤモンド・アイズ」「バラードのように眠れ」「stripe blue」「君だけに」「ABC」「じれったいね」「まいったネ、今夜」と名曲を次々にリリース。少年隊の快進撃は続き、紅白歌合戦に8年連続で出演した。

 当時この人気を牽引したのは、グループ最年長でもある錦織だ。

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錦織一清(Johnny's netより)

「デビュー前に、錦織は単独で『メンソレータム薬用キャンパスリップ』のCMに出演しています。そこで華麗なバク宙を披露し、大いにお茶の間を沸かせた。当時、錦織は輝くような美少年で、デビュー時にはもう完成されていた。運動神経も抜群で、ダンスが得意な少年隊のなかでも格別にうまかった。嵐の大野智など、ダンスが上手いと言われるジャニーズは現在もいますが、正直レベルが違う。『週刊文春』(2015年1月29日号)でメリー会長がSMAPを『踊れないじゃない』と酷評したことがありますが、錦織らと比べてしまうとそう評価されても仕方ない」(音楽業界関係者)

 現在、錦織は舞台演出家としても活動しているが、当時からすでにその才能の片鱗を見せていた。

「『仮面舞踏会』のイントロにある《Tonight ya ya ya……tear》という歌詞や、後にお笑い芸人のゆってぃがネタにした『デカメロン伝説』の《ワカチコ、ワカチコ》というかけ声は錦織のアイデアなんですよ。しかも性格も明るく気さく。後輩であるSMAPやKinKi Kidsからも憧れられていました」(同前)

『デカメロン伝説』

 錦織は現在、ジャニーズ所属アーティストの中では、近藤真彦(56)に次いで2番目に年齢が高く、ジャニーズ在籍年数は最も長い。1歳年上の近藤とは1977年の同期入所だが、近藤は「ジャニーズに入った時にはすでにニッキがいた」と話している。