9月20日、少年隊の錦織一清(55)と植草克秀(54)が年内いっぱいでジャニーズ事務所を退所するとファンクラブサイトなどで発表したことが、多くの人に驚きをもたらした。東山紀之(54)は残留となる。

 現在のジャニーズ事務所は17組のグループ、14名のソロアーティストと約300人のJr.たちで構成されている。近年、SMAP解散騒動や「新しい地図」をめぐる独占禁止法違反の疑惑、嵐の二宮和也の結婚騒動、元TOKIO・山口達也の逮捕など、ジャニーズ事務所をとりまく状況はめまぐるしく変化している。そんななかで今年35周年を迎える最年長グループ少年隊は、後輩タレントたちにどのような影響を与えたのか。

少年隊

「歌って踊れて立ち振る舞いも美しい、そんな“ジャニーズの帝王学”を受けてきたのが少年隊なのだと思います」

ADVERTISEMENT

 そう語るのは、自らもファンとして四半世紀以上ジャニーズを応援し、 “ジャニヲタ・エバンジェリスト(伝道師)” として「ジャニヲタあるある」(アスペクト)、「ひみつのジャニヲタ」(青春出版社)、共著で「大人のSMAP論」(宝島社新書)などを上梓しているみきーる氏だ。少年隊が後輩に残したものとは。みきーる氏に話を聞いた。

ジャニーズ事務所に残留する東山紀之 ©文藝春秋

◆◆◆

 錦織さんと植草さんの退所報道には大変驚きました。またいつか3人のステージを見ることができると信じていたからです。

 今の若いジャニーズファンの方々にとって、少年隊はもはやお父さんのような存在かと思います。しかし今のJr.や若手のグループにも少年隊が築き上げた伝統は脈々と受け継がれています。それは、少年隊が“ジャニーズの帝王学”を受けた特別な存在だったからにほかなりません。少年隊の功績と、今のジャニーズタレントが少年隊からどんなことを受け継ぐべきなのか、この2点を明らかにしていきたいと思います。

ファンの間で名盤と言われるアルバム『prism』(1999年発売)のジャケット

ジャニーズになかった「ジェントルな男子路線」

 少年隊は、1985年にデビューしました。彼らに先んじて3人組で人気を博したのはたのきんトリオやシブがき隊ですが、いずれも女子をキュンとさせるオラつきや、ちょっとした“不良み”も魅力だったグループです。そんななか少年隊は、かつてない“ジェントルな男子“というイメージを打ち出してきました。