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堂本光一主演「Endless SHOCK」で代役を果たした植草

 東山さんは今でも事務所のレッスン場に姿を現し、後輩たちを見守っていると聞きます。東山さんのトレーニング道具を見た後輩が、「お借りしても良いですか?」と尋ねてきたときは「もちろん!」と出し惜しみせず、華麗なポージングまで決めて快く貸し出してくれたとか。そのカッコイイさまをモノマネする後輩も現れ、愛される先輩としてのエピソードは、ファンのなかでも有名です。ベテランになっても気を抜かず、どんなときでもアイドルでいることを、東山さんに学ぶ後輩も多いでしょう。

東山紀之(Johnny_s netより)

 植草さんは、「先輩は、後輩の爆弾処理班も買って出る」という姿勢を見せてくれています。2015年の堂本光一さん主演の舞台「Endless SHOCK」で、植草さんは怪我で降板された前田美波里さんにかわって1日で台本を覚え、見事代役を果たしたことがありました。先輩はどんなことがあっても後輩のピンチを救う存在であれ、という気概を示してくれたのではないかと思います。

植草克秀(Johnny_s netより)

私が垣間見た“リアル錦織”の器の大きさ

 錦織さんは主に舞台演出や脚本家として活躍しています。つい最近では、A.B.C-Zが主演する10月23日公開の「オレたち応援屋!!」という映画(原案)の演出を担当しています。ステージ上だけでなく、さまざまな形で作品には関われるのだ、ということを錦織さんは後輩に示してくれているのではないでしょうか。

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2014年、初日を迎えた舞台「熱海殺人事件」を演出した少年隊の錦織一清(中央)

 余談ですが、私は以前お仕事で錦織さんとお会いしたことがあります。音楽関係者や舞台関係者の方が大勢集まる打ち上げだったと記憶しているのですが、その時に錦織さんは周囲の人に常に気を遣いながら、軽食を振る舞ってくださったり話で場を盛り上げてくださいました。誰に対しても分け隔てなく面倒見良く接してくださり、威張る様子が微塵もない錦織さんを見て、ジャニーズという大きな組織で、後輩たちから常に見上げられる存在で居続ける人の器の大きさを感じたのをよく覚えています。

錦織一清(Johnny_s netより)

 植草さんと錦織さんが退所してもグループ名が存続となることが話題となりましたが、私はグループ名やその概念は、メンバーと同じく“ひとりのアイドル”だと思っています。休止するから、解散するからといって誰かが“消す”ことなどできないし、姿は変わっても生き続けるのではないでしょうか。

 “少年隊”もそう。少年隊は、これまでと同じ“輝き”でなく、先輩らしいスタンスのとりかたや「未来」の姿まで後輩に示し、ジャニーズがこれからも長く続いていくための道しるべとなる存在だと思います。彼らが築いてきた伝統を若手がどのように受け継いでいくのか、ファンとしては非常に楽しみです。