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実はシャンシャンの両親も返還間近

 実はシャンシャンの両親であるリーリーとシンシンも、2021年2月に返還期限を迎える。返還時期は中国との話し合いで決定されるため、すぐに帰国となるわけではないが、このまま上野からパンダがいなくなってしまうのだろうか。

 リーリーとシンシンの返還期限については、東京都の小池百合子知事が10月2日に記者会見で貸与期間の延長に向け、中国側と交渉していることを明らかにしている。2020年9月に行われた、パンダのもり完成記念式典でも、駐日中国大使公使参事官の蔡紅氏が来賓のあいさつの際に「来年に返還が迫る2頭のパンダについては東京都と協議を進めており、もうすぐよい結果をご報告できるかもしれない」と話していることから、貸与期間延長の方向で話が進むと思われる。

 上野動物園では、中国をはじめとする世界中の飼育施設とパンダについての研究成果を共有している。パンダの生態は、いまだ解明されていないことも多く、飼育下で得られる多くの情報は、野生のパンダの保護にも役立つのだという。さらに、一度交尾に成功したペアは、再度の交尾にいたりやすい。2度の出産(1頭は死亡)に成功している、シンシンにも自然と期待が高まる。

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※画像はイメージです ©iStock.com

 同園の教育普及係担当者は、パンダについて「ジャイアントパンダの展示が、来園者のみなさまに野生動物保全に興味を持っていただくきっかけになれば。日常生活においても、動物たちの生息域を守るため、ちょっとした行動の変化を起こしていただけるように、呼びかけていきたいと思います」と話す。

 シャンシャンが返還されるのは、シャンシャン自身の生活とパンダたちの未来のため。日本からいなくなってしまうのはさびしくて悲しいけれど、お母さんになったシャンシャンに会える日は、そう遠くはないはずだ。