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「ウチの新しいセカンド、どうよ?」 巨人・吉川尚輝を、何があっても応援し続けようと決めた“あのプレー”

文春野球コラム ペナントレース2020

2020/10/08

何があってもこの選手を応援し続けようと決めたワンプレー

 2018年4月21日、甲子園でのデーゲーム。

 ピッチャー田口は満塁のピンチでバッターは大山、一気に盛り上がる甲子園!! 外寄りのボールを捉えた打球はライト前へ!! 抜ければ一気に2点タイムリー。タイガースファンは拳を握って立ち上がっただろう。俺もテレビの前でやられたーと思った。が!!!! その瞬間とんでもないスピードで外野の芝の境目で打球に追いつき、反転して一塁ワンバン送球。大山は一塁ヘッスラという高校球児の様な粘りを見せたが、ギリギリでアウト!!! サングラス姿の金本監督もポカーンとなるほど手痛いダメージを与えた「セカンドゴロ」であった。

2018年4月21日の阪神戦、大山悠輔の打球を好捕・好返球でアウトにした吉川尚輝

 このワンプレーを観て、そしてこれが偶然の産物ではないと確信してから、何があってもこの選手を応援し続けようと決めた。

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 松本哲也のダイビングキャッチ、坂本の三遊間深い所からの送球、亀井のバックホーム、小林の盗塁阻止、村田さんの三塁線飛び付き、長野さんのフェンスを恐れないチャージ……2010年代の巨人にも素晴らしい守備のシーンは数え切れない程あって、名手も沢山いた。が、吉川尚輝の速くて立体的でダイナミック守備は、今までの巨人では見た事がない様な気がした。そりゃ腰もイカレるかなと納得してしまいそうな(海老原博幸のガラスの拳的な)出力の高さを、コントロール出来て初めて真の二塁手・遊撃手レギュラーになれるのだろう。

 前回の座談会でも話したが、シーズンオフのFA戦線がどうなるかもわからないし、仮に補強が無いからといってあと10年尚輝に任せたぜ! とはまだまだ怖くて言えないだろう。

 今シーズンは開幕戦ホームランに始まり、サヨナラ打2回や、たまに見せる変態的な内角の捌きなど打撃の貢献も目立つが、まだ一度も規定打席に達した事のない選手に求めすぎるのも酷だ。とにかく今は身体のケアに気をつけながら、シーズン~日本シリーズを完走して欲しい。

 今後ずっと、ソレだけで場内が沸き立ち、入場料に釣りが来るような「セカンドゴロ」を量産していく為にも。

 友人とは久しく会えていないが、言う事は決まっている。

「ウチの新しいセカンド、どうよ?」って。

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