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若さ!若さって何だ!? 優勝大詰め、神宮で見た巨人・戸郷翔征の134球

文春野球コラム ペナントレース2020

2020/10/28

「やっと俺も一端の巨人ファンになってきたかな……」

 10月中旬の昼過ぎ、PC画面の神宮ビューと睨めっこしながら、ブツブツと呟いていた。

 やっぱ生観戦なら東京ドームより神宮! ビジターのTOKYOロゴも好きだし!ってな事で、昨年から加入したヤクルトファンクラブ・プラチナ会員。特典グッズと招待券はスワローズファンの友人に譲り、俺は心置きなくマイナビシートや三塁側の席を選ぶという、いわゆる一つのWIN-WINな関係性。

 夏の花火をダシに娘を誘ったり、座談会メンバーで観戦したりと昨年も充分プラチナの恩恵を受けていたと思っていた。だがしかし! その万能さは真の野球狂への誘いでもあるのだという事を、今回初めて思い知った……。

「絶対神宮での胴上げ来るでしょ」

 ヤバいと気付いたのは10月上旬。9月に早すぎる点灯を果たしたマジックナンバーはどんどん減り続け、報知一面にデカデカと載る『最短○○日V!』の文字の誘惑が半端ない。

 観たい。他の年ならともかく、コロナ禍&文春野球巨人担当というイレギュラー過ぎたこの2020年の胴上げだけはどうしてもこの眼で観たい。

 なんやかんやでCSを除いて胴上げを見たのは13年前の2007年。名手・宮本慎也のエラーでサヨナラというレアなアレだったが、今じゃスウィート・メモリーズ。俺あん時現場に居たもんね、というのはいつだって野球ファンとプロレスファンの合言葉だ。

 菅野の13連勝や、坂本が2000安打に邁進してる間にカープ相手に6年振りの勝ち越しなんかキメちゃったりしてる間に更に減るマジック!

 匂う。何度スポーツ紙の日程表を眺めてみても20~22の神宮3連戦が怪しい気配を出している。

 思い起こせば7月11日、雨の神戸グリーンスタジアムakaほっともっとフィールド(まだ3ヶ月ちょい前というのが信じられない)にて生観戦した、今シーズン初の有観客試合はヤクルト戦。サンチェスが青木に打たれた時からフラグは立っていたのかもしれない。

「絶対神宮での胴上げ来るでしょ、なんならこの為のプラチナでしょ」

 しかし、ここで「現実」というものが立ちはだかる。

 20日だけ観て他の日に決まったら? 20日、22日とかにして中日で決まったら? そもそも仕事はどうにか調整するとして、火水木のド平日に3日連続で18時から野球を観るというのはマトモな社会人のやる事なのか?

 様々な葛藤と言い訳が頭の中に浮かぶが、脳内に浮かんだのは「ワタシの心は一つです!!!」という、パンチ佐藤の忘れられない名言だ。そう、やっぱり俺もスクランブル登板せねばならない。だって俺はショボいなりにも文春野球・巨人軍の監督なのだから。