いまから4年前のきょう、2013(平成25)年9月13日、プロ野球・東北楽天ゴールデンイーグルスの投手・田中将大(当時24歳)が、日本製紙クリネックススタジアム宮城(Kスタ宮城。仙台市)で行なわれた対オリックス戦で先発し、開幕から21連勝を達成した。これにより、1957年に西鉄(現・西武)の稲尾和久がマークした同一シーズン最多連勝の日本記録が56年ぶりに更新された。同時に田中は前シーズンからの連勝を25とし、米メジャーリーグのカール・ハッベル(ジャイアンツ)の連勝記録(1936~37年)も抜く。

 しかし田中はこの日、2点を失い、完封とはならなかった。試合後のヒーローインタビューでは、このことを悔しがるとともに、記録達成についても「みなさんが祝ってくれるのはうれしいが、連勝記録のためにやっているんじゃない。(チームが)日本一になるためです」と語った。その言葉どおり、楽天はこのあと9月26日の対西武戦で、球団創設9年目にしてリーグ初優勝を決めると、クライマックスシリーズ(CS)も勝ち抜いて日本シリーズに進出、11月3日には巨人を下して日本一を果たしている。

 田中は結局、シーズン終了まで無敗のまま24連勝まで伸ばし(優勝決定戦では同シーズン唯一のセーブを記録)、CSでは1勝1セーブ、日本シリーズでは1勝1敗1セーブを記録し、チームを牽引し続けた。11月23日には、同一シーズン24連勝、シーズンをまたいでの公式戦28連勝、それにCS・日本シリーズでの2勝を加えた30連勝がギネス世界記録に認定され、Kスタ宮城で表彰式が行なわれている。このほか、同年の田中は、沢村栄治賞、正力松太郎賞特別賞、パ・リーグ最優秀選手(MVP)と、球界の各賞を総なめにした。

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 翌14年、田中はメジャーリーグのニューヨーク・ヤンキースに移籍。今シーズンは一時不振に陥りながらも、4年連続の2桁勝利に達し、渡米後101回目の登板となった9月2日(日本時間3日)の対レッドソックス戦ではメジャー通算50勝目をあげた。これは日本人投手では最速記録である。同時に日米通算150勝にも王手をかけた。