「非常に荒れていたし、間違ったほうに突き進んでいましたね」
「(私生活は)非常に荒れていたし、間違ったほうに突き進んでいましたね。その理由は仕事のプレッシャーもあったかもしれませんが、単純に驕りもあったんです。それまで14年間、幸いにも非常に恵まれた仕事をさせていただいていたのに、それに慣れてしまい、感謝もだんだん薄れていった」「駆け出しのときから共に切磋琢磨してきた俳優仲間たちがワーッとブレイクしていったときに、自分はそこについていけてないという自覚があって、焦ったんです」と自身の状況を客観的に振り返っている。
慶應義塾大学卒の小出は、『ごくせん』(2005年、日本テレビ系)、『のだめカンタービレ』(2006年、フジテレビ系)、連続テレビ小説『梅ちゃん先生』(2012年、NHK)などの話題作に出演し、全国的な知名度を誇る爽やかさが魅力の俳優だった。
2017年9月、小出は17歳の少女・Bさんを深夜にバーなどへ連れ回したとして、大阪府青少年健全育成条例違反容疑で書類送検(同年12月に不起訴処分)された。第一報となった「FRIDAY」2017年6月23日号の発売前日、所属事務所のアミューズは事態を重く受け止め、小出の謝罪コメントとともに、無期限の活動停止処分を発表した。
アミューズは東証一部上場企業だ。2017年6月に両国国技館で開催された同社の株主総会は、畠中達郎社長(当時)のお詫びで始まり、「アミューズ創業39年の中で最大の不祥事」と述べたという。小出は、ドラマの撮り直しや降板、CMの放送中止などにより、各方面から多額の賠償金を背負った。結果的にアミューズが5億円以上を肩代わりする形で、小出の個人事務所「夕顔」の負債を清算し、2018年6月に契約を解除した。事件から1年のタイミングだった。
テレビやCMに出演するタレントは、否応なくスポンサード企業のコンプライアンスに準じた行動意識が求められることになる。事件を起こした当時の小出は自ら従事する仕事の意味について、あまりにも無自覚だったといえる。
小出はアミューズとの契約終了後、ビザを取得し2018年10月からニューヨークへ移住。語学学校と演技学校に通い、現地のエージェントに登録して俳優の仕事を探していたという。紆余曲折はありながら、着実にできることを実行してきた自負はあるのだろう。
海外留学を経て、歌手のMISIAらが所属する「リズメディア」から再出発を果たした小出。「深い反省と、自分自身を見つめ直す3年間を経て、再び役者としてセカンドチャンスを頂けましたことに、今は感謝の気持ちでいっぱいです」(公式サイト)と再起への意気込みを語った。
大きな騒動を起こし世間を騒がせた山口と小出の事件は未だ記憶に新しい。世間から厳しい視線が注がれるなか、彼らがどのように再起の道を歩むのか改めて着目したい。