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番組メインMCと未成年の共演者という力関係

 2018年2月の夜9時すぎ、当時の山口の自宅である六本木の高級タワーマンションの一室に呼び出されて被害を受けたのは、NHK・Eテレ『Rの法則』(その後番組は打ち切り)に出演する女子高生・Aさんだった。

「山口は嫌がるAさんに強引にキスをして服を脱がそうとするなどの行為に及び、Aさんは激しく抵抗。もみ合いになったあと、山口が煙草を吸いに部屋を出たところで、Aさんは16歳の友人(出演者)とマンションから走って逃げたのです」(別の捜査関係者)

 表向き、『Rの法則』では「出演者同士の連絡先交換は禁止」だったが、山口だけは“特別待遇”で、複数の女性出演者と連絡先を交換していた。「山口さんとマネージャーには親しい番組スタッフがいて、いろいろと便宜を図ってもらっていた」(番組関係者)という。

写真はイメージ ©iStock.com

 山口は番組メインMCと未成年の共演者という力関係の中で相手の女性を呼び出しており、取材を進めると、山口の女性への異様な執着や未成年者への誘惑について、新たな被害証言も寄せられた。山口が抱える問題は単なる飲酒トラブルでないことは明らかだった。

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謝罪会見でも見せた“甘さ”

 山口は強制わいせつ容疑で書類送検(起訴猶予処分)された。事件後、「女性セブン」2019年9月12月号で取材に応じた山口は、「今はお酒のいらない生活をしていますし、誰かと遊ぶこともありません」と明言。アルコール依存症や躁鬱病の疑いがあると報じられたが、病状について「だいぶ回復しています」「通院も数か月に1回程度ですし、診察といっても医師に話を聞いてもらう程度です」と医療機関で治療を受けている様子を語っていた。

 思い出されるのは、山口が2年前の謝罪会見でも見せた“甘さ”だ。「これからも山口達也で……。TOKIOでありたいと感じています」というTOKIOへの未練とともに、「今後お酒はどうしますか」と問われると、「今後どうやっていくのか、まだ今そこまで考えは至っていませんが、今は、飲まないと決めています」と語っていた。

©文藝春秋

 山口の代理人はジャニーズ事務所の顧問弁護士が務めるなど、表舞台から去った後も「事務所から契約を解除されたものの、支援は受けていた」(山口の知人)という。TOKIOメンバーらによって計画されていたという“山口復帰”と“TOKIO再結成”への道も今では閉ざされてしまった。

 再びトラブルを起こした山口のケースは、未成年をタレントへと育て上げるというビジネスモデルで成長を続けてきたジャニーズ事務所にとって、「芸能事務所はタレントをどう教育していくべきなのか」という大きな課題を突き付けたといえるだろう。

 一方の小出恵介は、活動再開後の「婦人公論」2020年10月13日号のインタビューで、「あの事件以来、お酒には本当に気をつけていますし、一緒に飲む仲間も考えてつきあっています」と明かした。事件直後から「俳優をやめるという気持ちはなかった」という。