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「『投影性同一視』とは、例えば他人という鏡に自分の怒りを投影し、他人から自分が責められていると感ずるような心のメカニズムのことです。

 普段は人気があり、テレビ出演すれば視聴率という数字や視聴者の反応でその人気を実感できる立場にあったのに、それを肌で感じる機会が、コロナ禍において奪われてしまった。自分が評価されているという確たる証拠がない状況においては、目の前の現実を良くも悪くも解釈できてしまいます。その解釈がネガティブに振れると、不安や怒り、苛立ちを抱えてしまう。

 そのとき、自らの不安や苛立ちなどの負の感情を、みんなが自分を嫌っているだとか、自分に対して苛立っているというように、社会の評価へとすり替えてしまうのが『投影性同一視』です。自分は攻撃されていると感じてしまうのです」

木村花さん ©共同通信社

いま、芸能人が抱えている“リスク”

 5月に亡くなった木村花さんの場合、SNS上での誹謗中傷に悩んでいた。

「木村さんの例で言えば、バッシングする側は、番組の断片を彼女の真の姿と思い込んで見ているし、バッシングされる木村さんもSNSを通じてモンスターのような他者を見ているという不幸な悪循環が起こっていたように思います。いま、芸能人はある種のリスクを抱えた集団だと考えても間違いではないでしょう。精神科では、病院内で亡くなった方がいた場合、続発することのないよう、死に傾いている人がいないか、みんなで警戒します。SNSで暖かいことばをかけるといったささやかなことでも構いません。みんなで警戒し、目を配ることが大切です」

出典:「文藝春秋」11月号

「文藝春秋」11月号および「文藝春秋digital」掲載の「芸能人『自殺連鎖』の病理」では、斎藤氏が新型コロナウイルスによって、「引きこもり」状態になったことで起こった社会の閉塞感や女性の自殺者が急増した理由を分析。「死を物語化」する報道への警笛、身近に「死にたい」という感情を抱いている人がいる場合の具体的な対処法について詳細に解説している。

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