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「これまではだいたい6~7割くらいは外れていました。それをなんとかしようと利用したのがデータサイエンス。2017年12月に『走行中の北陸新幹線車両台車部への着雪量推定モデルの作成』というコンペを開催しました。気温・降雪量・風速などの情報をもとに翌日の新幹線の台車にどれくらい付着するのかを予測する計算モデルをつくってもらうというものです。実際にこのコンペで入賞したモデルをもとにして、実証してみました」(宮崎さん)

雪落とし作業風景。安全のためには必要な作業である一方、駅への待機を含めると様々なコストがかかっていた(JR西日本提供)

 つまり、これまでは無駄の多かった着雪除去作業を、最近熱が高まっている“データサイエンス”を駆使することで、より効率的にしようという試みである。結果はどうかというと……。

「精度に関しては極めて高くなり、いまではほぼほぼ着雪の予想が当たるようになりました」(宮崎さん)

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 作業員が待機すればそれだけでも一定のコストがかかる。実際に着雪除去の作業ができればまだしも、空振りだったらそのコストはいわば“ムダ”。それがデータサイエンスによって予測の精度が飛躍的に向上し、ムダを削減することができる。

点検でも起きた大転換

 そしてこの取り組みが、JR西日本によるデータサイエンスの活用のいわば第一歩だった。宮崎さんをはじめとする数人の社員が2017年6月に技術企画部に配属されてキックオフ。車両や施設などにIoTのセンサーを取り付けてデータを吸い上げ、そのデータをもとにしてデータサイエンスやAIを駆使することで保守点検のサイクルを効率化しようというのが目的だったという。

「鉄道関係の保守というのは基本的にずっと“時間”でやってきたんです。決まった期間で定期的に検査したり交換する。それを常にセンサーで見ておくことでコンディションに応じて保守することができるようになる。時間で決め打ちしての保守ではどうしても無駄がでてしまいますが、コンディションに応じた対応ならばそれがなくなり、効率化できます」(宮崎さん)

 なるほど、確かにデータサイエンスやAIによってあらかじめ部品交換のタイミングを予想できるようになれば、まだ充分使えるものでも“決まった期間を過ぎたから”で交換してムダが生まれることはなくなる。つまり、データサイエンスを導入すれば車両や施設などのメンテナンスが効率化するというわけだ。