「二軍には(谷口)雄也もいるので、92年世代みんなで頑張りたいと思います!」

 9月3日、その日の楽天戦で打のヒーローとなった北海道日本ハムファイターズの西川遥輝は、お立ち台でそんな風に入団同期の名を挙げた。

“ハンカチ王子”こと斎藤佑樹の入団同期たち

 いまや日本球界を代表するリードオフマンのひとりになった西川に、今は2軍だが外野の準レギュラー格で、その端正なルックスでも人気の谷口雄也は、2011年に日本ハムへ入団した。だが2軍施設のある鎌ケ谷で、入団間もない当時の彼らのもとに集まったメディアやファンはほとんどいなかった。

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 谷口が入団の際の歓迎式典で、「ゆうちゃんフィーバーが起きていますが、僕もゆうちゃんです!」と語ったように、そこにはピカピカのドラフト1位“ハンカチ王子”こと斎藤佑樹がいたからだ。

プロ入り後は満足した結果は出せていない ©️文藝春秋

 ここのところ、その斎藤の周囲が喧しい。

「引退説」も飛びだした成績

 今季はここまでイースタンで1勝3敗、防御率は9・33。残念ながら活躍しているとは言い難い成績でもあり、このままならばプロ生活10年目にして初の「一軍昇格なし」のシーズン終了ということになる。

 そんな状況でもあり今夏には、今季での「引退説」も囁かれた。

 成績だけを見ていくと、そんな報道がでるのも無理はない。

夏の甲子園決勝では駒大苫小牧との再試合を制した ©️文藝春秋

 プロ入り後のルーキーイヤーは先発ローテーションの一角として6勝6敗、防御率2.69をマークし、2年目には開幕投手を務め自身初の完投勝利こそ飾ったものの、そのシーズン後に右肩を故障。その後は7年間でわずかに3勝と厳しいシーズンを続けている。