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「深夜2時、麦茶を頭から…」13年間のモラハラに耐えた妻が、“セカンドパートナー”を求めて

2020/10/29

「夫に興味がなくなり始めたのは結婚3年目くらいからだと思います」

 都内在住の丸の内OL、藤田なおさん(仮名・41歳)は、セカンドパートナーのある暮らしをしていることを話してくれた。13年前、社内での出会いをきっかけに8歳年上の男性と結婚。仕事に対して熱心な姿勢だったところに魅力を感じたそうだ。働きぶりを評価された夫は、同期の中でも早く出世した。しかし、この出世をきっかけに燃え尽きてしまったという。

「私の好きだった夫ではなくなってしまいました……」

艶のある栗色の髪をした、藤田なおさん(仮名・41歳)、写真は全て筆者撮影。

頭から麦茶をかけられ、危篤の祖母への励ましには「無駄じゃない?」

 夫から心が離れてしまった理由は他にもある。それは結婚当初から続くモラハラだ。仕事のストレスのはけ口は、全て藤田さんへ向けられたそうだ。「お前は何もできないだろう」などといった人格否定は当り前だという。

「夫はグルメなタイプ。私が食事の用意を怠ると、感情的になるんです」

 藤田さんは、深夜2時の夫の帰宅までに手料理を作り、寝ずに待っているという。残業で料理を作ることが難しいときでさえ、許可なくコンビニ弁当などで済まそうとすると、壁に物を投げつけたり、頭から麦茶をかけられるそうだ。

 最初のうちは反抗したこともあったが、10年前くらいからはそれすらも無駄だと感じ始めたとのこと。「そうだね、あなたの言っていることは正解だね」とロボットのように返す日々だと語っていた。

 結婚当初は子供を作ることも考えていたが、モラハラ気質の夫の遺伝子を残したくないという思いが強くなり、夫婦生活を避けるようになったそうだ。今でも夫からは誘いはあるそうだが、気を悪くしないようのらりくらりとかわし続けている。

「『なおは俺が死んでも悲しまないだろうね』って言われますよ。一応は否定しますけど」

 藤田さんは笑いながら話していた。

 心が離れた決定的な理由は4年前の出来事。藤田さんの祖母が脳梗塞で倒れたのだ。現在は療養中とのこと。遠方に住む祖母が危篤だと聞かされた時、頻繁に帰り、励まし寄り添っていたそうだ。しかしそのことを「そんなに行ってどうするの? 無駄じゃない?」と、バッサリ切って捨てたという。

「このことを私は一生忘れません」と語る藤田さんから、悔しい気持ちが伝わってきた。

 ここで気になるのが、離婚について。離婚は考えているのだろうか。

「離婚は考えていません。社内結婚だから別れるのは面倒ですし」