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 1つは年内に「憲法改正案」を党でまとめること。もう1つは「国民投票法改正案」を年内国会に提出し成立を目指すこと。他にも北朝鮮問題などが討議されたという。 

会合から見えた菅政権の野心

 この会合で話された内容にこそ、菅政権の野心が透けて見えると語るのは、菅政権に詳しいある政治ジャーナリストだ。 

「菅政権の最大の後ろ盾となっているのが二階氏であることは衆目の一致するところです。実は二人には政治家として大きな弱点があると、これまでは囁かれて来ました。

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 菅氏は実務肌とこそ評価されますがイデオロギー色が薄く、二階氏は媚中派と揶揄されるほど現実主義的です。つまり二人とも“政治信条”に欠けてると見られてきたのです。そこで憲法改正に着手することで、政治家として評価を高めたいという野心があるのではないかと、見ることが出来るのです」 

 国内外で安倍政権の後継と見られている菅政権だが、水面下では脱安倍の動きも見られているという。その象徴の1つが安倍政権に大きな影響力を行使してきた今井秘書官からその実権を取り上げ、官邸内の権力構造を変えたことだ。 

実権を取り上げたとされる今井尚哉補佐官 ©時事通信社

「いま、官邸内で最も力があるとされているのが和泉洋人首相補佐官(76年、建設省、東大工)です。和泉氏は補佐官ながら、安倍政権でも地位を築いていた北村滋国家安全保障局長(80年、警察庁、東大法)より今や格上になった。

 菅政権は和泉氏、そして菅首相の一本釣りによって共同通信から転じた柿崎明二首相補佐官が権力を握り始めている。今後、和泉・柿崎という補佐官コンビにより官邸は仕切られていくだろうという見方が強まっています」(政治部デスク) 

権力を握り始めているとされる柿崎明二補佐官 ©文藝春秋

“岩盤支持層”は現政権に対して冷ややか

 菅首相が官房長官として仕えてきた安倍政権は戦後最長という長期政権だった。安倍氏の人気を下支えしてきたのが、“岩盤支持層”といわれる右派の人たちである。憲法改正を旗印に掲げるなどイデオロギー色を前面に押し出してきた安倍氏に比べ、菅首相は思想性が薄く実務派というイメージが強い。こうした印象からか安倍氏を支持してきた右派勢力は、実は現政権に対して冷ややかであるとされている。 

 10月26日に行われた所信表明演説でも、菅首相は憲法改正に関しては「各党が建設的な議論を行い、国民的な議論につなげていくことを期待する」と述べるにとどめた。これは安倍氏が今年1月の施政方針演説で「未来に向かってどのような国を目指すのか、案を示すのは国会議員の責任だ」と訴えたのと比べ淡泊だと、主要メディアで報道された。 

 だが、表面上の動きだけで菅首相を測ることは出来ない。自民党総裁選まで自らの権力欲を一切出さなかったように、菅氏は野心の為に本心を隠せる政治家なのである。