ある日突然、自分の子どもがいじめの加害者だと言われたら、あなたはどうしますか? 『息子がいじめの加害者に? 大原さんちの大ピンチ』は、いじめ騒動の当事者となった一家のサバイバルを描いた実話マンガ。長男がいじめの加害者だと訴えられ、被害者の親に謝罪はしたものの、長男は教師から精神異常者扱いされたり、全校集会で吊るし上げにあったりと、一家は四面楚歌に……。

 今年6月に電子書籍として刊行、文春オンラインでも連載され、「参考になった」「共感できない」と賛否両論、大論争を巻き起こした。電子書籍版に大幅加筆した単行本の発売を機に、著者の大原由軌子さんに話を聞いた。

長男の友だちの母親から「子どもがいじめを受けている」と訴えがあり、長男に事の次第を尋ねると……。© 大原由軌子/文藝春秋

友人との揉め事は避けて通れない道

──なぜ「いじめ」をテーマにマンガを描こうと思ったのですか?

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大原 子どもを育てるにあたり、友人との揉め事は避けて通れない道です。被害者側を経験した上で、加害者側に立った時にどうやって解決していくのか、私自身が当時一番知りたかったことをマンガにしたいと考えました。

──描くにあたって苦心した点、気づいた点などあればお聞かせください。

大原 苦心したのは、実話ということもあり、実際に私自身が自分の耳で聞いて目で確認した部分だけでマンガを構成しようとした点です。このいじめ騒動が7年前の出来事で、電子書籍版が当時のことをリアルタイムで綴っているため、謎と苦しみに満ちているのに対して、書籍版はすべて答えが出揃った状態で改めて騒動の内容を見返し大幅加筆できたことが、良かったと思えた点でした。気づいた点は、親の感情よりも、学校という社会で生きている子どもの思いを一番に考えるべきということです。