名曲はいつ思い出しても名曲。ソニンがデビュー20周年を迎え、新曲『ずっとそばにいてね。』を発表し、その原点となる『カレーライスの女』も、再び注目を集めている。
ソニンのねっとりとした歌唱から「あふれ出す」というより、「滲み出る」孤独感。肌にベトつく感覚さえするぼっち臭。行き場のない向上心と執着心が真っ黒なルウになって、タマネギや人参と一緒にコトコト煮こまれているようなカオス。
『カレーライスの女』は、私のような恋愛木っ端みじん族には共感する部分が多過ぎて、聴く時期を間違えると気分的に落ちるところまで落ちるデンジャラス・ソングでもある。
カワイくて楽しかった「EE JUMP」
そこで、『カレーライスの女』の前に、まずソニンがデビューするきっかけとなったEE JUMPの楽曲を思い出したい。トラブルが続きユニットとしては短命だったが、これが名曲揃いなのである。『おっととっと夏だぜ!』や『イキナリズム!』、好きだったなあ!
ブレザーの制服が似合うソニンと、フードパーカーが似合うユウキのユニセックスなバランスもとてもよかった。この2人とダンサー陣による、ビックリ箱を開けた瞬間のような弾けたパフォーマンスに、「おもちゃのチャチャチャ」と応援歌が混じったようなイメージの楽曲が乗り、カワイイ、楽しい! とワクワクしたものだ。
サードシングルの『おっととっと夏だぜ!』では、恐る恐るバク転を披露していたソニン。ところが、6thの『青春のSUNRISE』では、腹這いの体勢からグーッと上半身だけ起き上がる振り付けを披露。身体能力がすごいことになっている! とその進化に驚いたことを覚えている。
有能すぎるドMっぷり
周りが「無理かもしれないけれど一応ふってみるか」という感じで与えた課題を、本当にやり遂げてしまう。このソニンの有能すぎるドMっぷりが、スタッフのSっ気を爆発させたと思われる。
2002年には、ある番組の企画で570キロをマラソンさせられたり、5万4600個のドミノを1人で6日間かけて並べさせられたり、歌とは関係ないところで追い詰められていた。私もリアルタイムで観ていたが、明らかにツラそうだった。が、それでも彼女は「やってしまう」のである。