昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

2020/11/12

 そして、円城寺から始まるミュージカルシーンもテレビドラマならでは。このミュージカルシーンはドラマ版『ルパンの娘』の代名詞とも言える見せ場の一つで、歌ってくださいと言わんばかりに流れる大胆なカラオケテロップもお約束になっている。

 しかも、ただキャストを歌って踊らせるのではない。ミュージカル『テニスの王子様』で注目を集めた瀬戸康史を筆頭に、プロダンサーで『メリー・ポピンズ』など様々な舞台に立つ大貫勇輔、ミュージカル女優としても活躍するマルシアなどが抑えるべきポイントをキチンと押さえているのだ。

 セカンドシーズンの第3話では、渡部篤郎が歌い、藤岡弘、までも踊る泥棒警察両家総出の新作ミュージカルが急に始まり、お茶の間の度肝を抜いた。この出し惜しみの無さも、ドラマ版『ルパンの娘』の大きな“売り”である。

セクシーとキュートを兼ね備える深キョンの存在感

 さらに、ドラマ版『ルパンの娘』を語る上で欠かせないのが、奇抜なキャラクターを全身全霊で体現するキャストたち。セクシーとキュートを兼ね備え、愛に生きるヒロインを演じる深田恭子を筆頭とした個性豊かな面々と、「真実・誠実・謙虚」な芝居で彼らを支える瀬戸康史とのバランスは、セカンドシーズンに入っても絶妙だ。

 今作からの新キャスト・北条美雲役の橋本環奈も見逃せない。美雲は“Lの一族”に恨みを持つ名探偵一家の娘で、第3話から和馬と共に事件を追うことになった。

橋本環奈 ©文藝春秋

 中学では水色のセーラー服、高校では白いブレザー、そして大人になってからは探偵服を身に纏い、クセの強い京都弁「~どす」を話すアニメチックなキャラクターなのだが、これに橋本環奈がハマるハマる。『銀魂』や『午前0時、キスしに来てよ』など、実写化作品の常連である橋本環奈のデフォルメ化された役への浸透力は卓越しており、クセもの揃いなキャラクターの中でも確かな爪痕を残している。

 明るく華やかで、とにかく景気の良い『ルパンの娘』は、従来の“フジテレビっぽいドラマ”だと言えるのではないだろうか。ただ「見る人を楽しませること」に重点を置く姿は、フジテレビのドラマだけではなく、あらゆるエンターテインメントの原点でもある。前作が放送された2019年とは違い、様々なことがあった2020年。鬱々とした気持ちを颯爽と奪い取ってくれる、愉快な泥棒たちの快進撃を期待したい。

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

この記事の写真(11枚)

+全表示

ツイッターをフォローして最新記事をいち早く読もう

文春オンラインをフォロー