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韓国で『鬼滅の刃』ファンが“売国奴”と罵られる理由〈炭治郎の“旭日旗”耳飾りは変更、12月公開へ〉

韓国で『鬼滅の刃』ファンが“売国奴”と罵られる理由〈炭治郎の“旭日旗”耳飾りは変更、12月公開へ〉

2020/11/14

『君の名は。』を超えられるのか?

 日本で公開されて以来、過去最速となる公開10日で興行収入100億円を突破した『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』。韓国でも公開されることが明らかになったのは10月になってからだった。

 日本国内で毎日のように新記録を塗り替えている興行成績は、韓国でもリアルタイムで報じられ、既存のファンだけでなく一般人の間でも期待が高まっている。

韓国語版の「鬼滅の刃」10巻

 このような関心の高さは、映画の興行成績にもつながるのだろうか。韓国在住の日本人映画プロデューサーで映画評論家の土田真樹氏は、次のように予測する。

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「韓国では『君の名は。』(新海誠監督)の観客動員が370万人を超えるなど、日本アニメのファン層が厚い。不買運動の最中だった2019年10月に公開された『天気の子』(同)は反日感情が最も激しい時期だった影響を受けて約71万人の観客動員に終わったが、韓国映画産業において最長連続上映期間(259日)という新記録も達成して、『西便制~風の丘を越えて』の193日の記録を塗り替えた。『鬼滅』もコロナ禍が変数ではあるけど、平常なら当然100万人以上達成できるだろう」

日本版の『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』予告編より

 一方、韓国の映画配給会社の関係者の意見は異なる。

「韓国では独立アニメは人気があるが、テレビアニメの劇場版はあまり興行成績が良くない。韓国で最も幅広いファン層を確保していると言われる『名探偵コナン』さえ、昨年公開された『名探偵コナン 紺青の拳』の観客動員は21万人だった。『コナン』は12歳以上観覧可だったが、『「鬼滅の刃」無限列車編』は15歳以上が有力視される。最終成績は20万人を下回るのではないか」

 これまで韓国で、最多の観客動員を記録した日本アニメは、1位が『君の名は。』で約370万人、2位が『ハウルの動く城』(宮崎駿監督)で約300万人、3位が『千と千尋の神隠し』(宮崎駿監督)で約200万人。ただ、テレビアニメの劇場版となると、1位が『名探偵コナン 漆黒の追跡者』で65万人、2位も同シリーズの『名探偵コナン 沈黙の15分』で64万人となっている。

『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』の韓国での配給を担当しているSMGホールディングスによると、暫定決定された公開日は12月10日。現在、上映等級は審議中であるという。

韓国版の『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』予告編より

 果たして『鬼滅の刃』人気は日本を越え、韓国映画界でも新たな記録を打ち立てるのか。まずは、上映等級や上映館数など、正確な上映スケジュールが決まる11月末を注目してほしい。

韓国で『鬼滅の刃』ファンが“売国奴”と罵られる理由〈炭治郎の“旭日旗”耳飾りは変更、12月公開へ〉

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