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全校集会で、息子の行動が晒されてしまう。ここまでやられないといけないの……?

『息子がいじめの加害者に?』より。© 文藝春秋

 さらに後日、全校集会でタケの行動が「いじめ」として晒されてしまいます。名前は伏せていたものの、犯人はタケだと生徒たちから特定され、落ち込みます。

「本当にここまでやられないといけないことなの?」と激しく動揺する大原さんに、「今は騒ぐときじゃない」と言うダンナさん。

 ストレスを抱える息子2人をフォローしながら、耐える大原さん。

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 そしてスクールカウンセリング当日。タケはカウンセラーの先生と面談します。その結果は……。

『息子がいじめの加害者に?』より。© 文藝春秋

「タケくんは10歳児として正常な発達をしているお子さんです。善悪の判断もきちんとついています」「異常なんてことはまったくありません」

 それを聞いて、ほっとする大原夫妻。

 タケも元気を取り戻して遊びに出るようになり、大原さんもS母と普通に接するように。日常が戻ったように思われましたが、その2週間後。

『息子がいじめの加害者に?』より。© 文藝春秋

 S母から、不可解なメールが届きます。いじめ騒動を発端にしたS母との溝は、埋まるどころか深まるばかり……。

 続きは、『息子がいじめの加害者に? 大原さんちの大ピンチ』に収録されています。

大原さん「一緒に解決していこうと常に子どもに語りかけること」

 ネット上で大きな反響を巻き起こした今回の件について、著者の大原由軌子さんはこう語っています。

「いじめ騒動を『ノンフィクション』という形で発表したことで、このマンガを手に取られた方によりリアルな出来事として読んでいただいた結果、賛否両論という形で反響が起こったのだと考えています。架空のキャラクターで同じ内容を描いたのでは、ここまでのお怒りの声も上がらなかったのではないでしょうか。コミックエッセイという形で作品を発表しているので、賛否両論は当然のこととして受け止めています。

『息子がいじめの加害者に?』より。© 文藝春秋

 加害者側の立場としては『相手がいじめと感じたらそれはいじめで、いじめた方が100パーセント悪いのだから、親も子もきちんと謝罪する』べきと考えますし、被害者側の立場になったときは、いじめた側の相手を責め立ててつぶすのではなく、『子ども同士が仲直りし、元の健全な関係に戻る』ことをゴールに設定しました。成長過程にある子どもの失敗を恥じるのではなく、一緒に解決していこうと常に子どもに語りかけることが解決への一番の早道だと信じています」

息子がいじめの加害者に? 大原さんちの大ピンチ

由軌子, 大原

文藝春秋

2020年11月12日 発売