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炭谷を迎え入れるベンチに覚えた違和感

 9月3日、京セラドーム大阪で行われたオリックス対西武戦でのこと。3回ウラのオリックスの攻撃で、3対2と西武が1点リードの展開でした。先頭打者が3塁手の失策で出塁し、次打者がバントした打球を処理した炭谷銀仁朗が2塁へ悪送球して、無死1、2塁。続く打者もバントし、今度は炭谷が3塁に投げ封殺しました。直後に吉田正尚が逆転3ラン。

 この回が終了し、ベンチに戻った炭谷に何人かの選手がハイタッチを求めていました。3塁に放り封殺したプレーに対してでしょうけど、かなりの違和感がありました。炭谷にはハイタッチについての罪はありません。ベンチの選手も盛り上げたい心情からかも知れませんが、やっぱり違いますよね。ひいきのチームの「出来事」だけに、ちょっとモヤモヤしてしまいました。せめて、この回が無失点でしたら分かりますが、逆転されていますから。

プロ入り12年目の炭谷 ©時事通信社

 もちろん、こうした行動は成文化されていません。でも、空気をしっかり読んでもらいたいものです。また、注目したいのは途中交代した投手を迎えるベンチ。好投していればハイタッチは当然ですが、失点し、走者を残した場面での降板は微妙です。投球内容次第なのですが、まぁ、お尻を「ポンポン!」とたたき、ねぎらうのが一番自然ではないでしょうか。テレビカメラが降板した投手を追います。狙いは、悔しさなどからグラブを投げつけたり、ベンチを蹴り上げたりする場面などでしょうけど、最近目にすることがなくなりました。なので、迎えるナインの仕草に注目となってしまいます。

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 これらを感じるのは「ゆとり教育」の影響なのでしょうか。それとも私の老化現象なのでしょうか。

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