白石被告の部屋で首を吊る練習をした女性がいた
これはBさん(当時15、女性)が白石被告にLINEで「生きていこうと思います」と送ったときと同じように、指示したものではないとした。
弁護人は、被害者9人のほか、3人の女性と会っているかという点についても問いただした。1人は、事件前の8月上旬に会って10月中旬まで交際していたXさん。もう1人はDさん(当時19、女性)を殺害する前後に白石被告の部屋に泊まっていたYさん。この2人については、公判ですでに明らかになっていた。
弁護人によると、もう1人はZさんだ。Zさんは2017年9月11日に白石被告の部屋に来た。当時はロフトの梯子にロープが結ばれていて、そこで首を吊る練習をした。その練習を白石被告が手伝っている。その上で、刃物を見せて「解体する道具なんです」と説明した。すると、Zさんは部屋を出て行ったという。
筆者の面会では、被害者以外に4人と会い、1人は男性。残り3人の女性のうち、1人とは「8月から10月まで付き合っていた」と話した。それがXさんだろう。もう1人は「10日間住んでいた」と言っていたが、それがYさんだろう。残りの1人については、「部屋を見てクーラーボックスがあるのを見て逃げた女性がいた」という。それがZさんなのだろう。
このZさんに関しては、検察側の質問に答えている。Zさんは女子高生だった。
「(首吊りの練習は)記憶にはないのですが、言われてみれば、そうしたかもしれません。『クーラーボックスの中に生首が入っている』と話しました。そのためか帰りました。その女性とはその後もLINEでやりとりをしていましたが、もう会うことはありませんでした。お金を持っていそうで、私に対して好意を持っている感じがありました。お金を引っ張れるかもしれないと思いました。女性をしっかりと口説いてから情報を与えたので、通報することはないと思っていました」
「ヤクザでも警察官でも、殺すつもりでした」
白石被告の部屋のロフトには、布団が敷かれており、横にナタを置いて寝ていた。
「身を守るためです。被害者の人数がそれなりになっていましたので、関係者や、関係者の身内にヤクザがいるかもしれませんので、家に乗り込んでくるんじゃないかと思っていました。そのときは殺すつもりでした。もし警察官が1人で来た場合でも、殺すつもりでした」