神奈川県座間市のアパートで男女9人を殺害した事件をめぐる、白石隆浩被告(30)の証言は続いた。
10月27日の法廷では、5人目に殺害されたEさん(当時26、女性)の場合は、それまでの4人と違って、部屋で話をして、薬や酒を飲ませて、眠くなってきた状態で襲ったわけではないことが明らかになった。Eさんは、元夫とLINEをしたり、電話をするために、白石被告のアパートを少なくとも5回以上は出入りしていたという。
「私が寝た後で、殺してください」とEさん
Eさんは、2017年9月24日7時台に相武台前駅で白石被告と合流している。8時ごろには、部屋についているが、その後、元夫とLINEをしている。
Eさん 今日会えない。出かけることにした。
元夫 大丈夫?
Eさん さいなら。
元夫 どうした?
(その後、元夫から4分55秒の通話)
元夫 連絡して。
(その後、Eさんから40秒の通話)
Eさん 死ぬの怖い。
元夫 ちゃんと話し合おう。
Eさん うちが死んだら悲しい?
元夫 悲しむよ。あたり前だろ。
Eさん ありがとう。今、吊っているけど、うまくいかない。
元夫 やめたら。
Eさん やめないよ。みんな私を煙たがっている。
こうしたやりとりをした後、Eさんはまた白石被告の部屋に戻る。部屋に来る前、Eさんは「私が寝た後で、殺してください」と白石被告に話をしていた。しかし、部屋に来たときには、Eさんは何度も出入りをしていたため、ヒモになれるのかどうかの見極めに時間がかかった。
バッグの中にあったポーチから、所持金数千円を奪った
そのため、白石被告は「(Eさんが)帰ってしまうのではないか」と考え、Eさんが部屋に戻ってきたときに、玄関の鍵を閉め、薬やお酒が十分に効いていないかもしれない段階で襲った。
「Bさん、Dさんを殺害するときは、薬やお酒が効き、床に手をつき、ぐったりしていた状態のときに、いきなり背後から胸を触って、首を絞めるという手順でした。しかし、Eさんの場合、急に襲って、胸を触らずに、首を絞め、引き倒したという記憶があります。(Eさん以外の)他の人は部屋で話し込んでいたのでそうしましたが、Eさんの場合は、出入りを繰り返していましたので、部屋に戻ったときに急に襲いました」
襲いかかる時、壊れないようにメガネを外し、浴室に置いていた。その後、レイプをして、下着や上着を着せて、ロープに吊るし、バッグの中にあったポーチから、所持金数千円を奪った。そして、30分から1時間放置し、死亡確認をした。検察側の質問にこう答えた。
「立ち姿勢か、座り姿勢だったかは覚えていないが、背後から右手で首を絞め、左手で顎や口をおさえました。首を絞めるときは、Eさんの顔を見ていません。もし、指で目を突かれたら困るから、顔はEさんの胸やお腹の付近にありました。基本的には相手の指が届かない位置です。
その後、失神するまでの記憶はありません。おなかを殴ったかどうかは記憶にありません。やったかもしれないし、曖昧です。失神したとわかったのは、相手の抵抗がなくなったからです。一方的な格闘でした。私のほうが力が強いからです。失神後は、陰茎部を挿入し、射精しました」