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「失神した女性でなければ…」白石被告が法廷で明かした異常な“こだわり”

座間9人殺害事件 裁判傍聴レポート

2020/10/28

genre : ニュース, 社会

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「4人目を殺害後、失神した女性でなければ、快感を得られなくなった」

 2017年10月に発覚した神奈川県座間市のアパートで男女9人を殺害した事件の裁判員裁判が、10月27日、東京地裁立川支部(矢野直邦裁判長)で行われた。この日は、5人目に殺害したEさん(当時26、女性)に関する被告人質問が行われた。

白石隆浩被告 ©文藝春秋

Eさんの悩みは、「家族から愛されたい」

 白石隆浩被告(30)は、4人目のDさん(当時19、女性)を2017年9月16日に殺害した後、殺害していない女性と同意の上で性行為をしたが、「快感が足りなかった」と証言した。失神した状態で強制性交をすることが目的化していくことを明らかにした。

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 冒頭陳述等によると、Eさんは当時無職。弁護側が明らかにしたEさんの悩みは、「家族から愛されたい」というものだった。19歳で夫と結婚。長女を出産する。しかし、家事や育児がうまくできないことから、夫の両親とはうまくいかず、夫と長女と3人で暮らすようになる。その後、Eさんの両親が中古の戸建てを購入。3人はその住宅で暮らすようになった。

 しかし、夫には十分な収入がなく、お金のことで喧嘩になることもあった。そのため、1回目の離婚をする。ただし、3人の生活は続き、復縁する。Eさんは長女を保育園に預けて働こうと思っていたものの、長女に発達障害傾向があり、保育園がなかなか決まらなかった。そのため仕事を始められず、実母から責められることになる。育児疲れから、自殺未遂をしたこともあるが、常に夫が止めていた。

白石隆浩被告の裁判員裁判が開かれている東京地裁立川支部の101号法廷 ©共同通信社

〈いつごろがいいですか? 早く死にたいです〉

 2017年8月30日、夫と2度目の離婚をする。そして、元夫は長女を連れて、自分の実家に住むことになる。自宅はEさんの両親が3人の生活のために購入したものであり、実母は「家から出ていくように」と言ってきた。Eさんは頼る先がなくなった。

 9月23日午前3時8分、EさんはTwitterで、一緒に自殺をする相手を募集するツイートをする。それをきっかけに、白石被告のアカウント「@_」とやりとりが始まる。

@_ フォローありがとうございます。まだ探していますか? 一緒に死にましょう。

Eさん 探しています。よろしければ、ご一緒に死にましょう。

@_ いつごろがいいですか? 早く死にたいです。

Eさん 奇遇ですね。私も今すぐ死にたいです。

@_ 方法は?

Eさん 確実に死ねるなら何でもいいです。

@_ 首吊りはどうでしょうか?

Eさん 問題は場所ですね。失敗したら苦しいので(経験済)

 このやりとりについて、白石被告は「会うことが目的でした。会ったのちに、お金を引っ張るか、もしくはレイプして殺害するか」と検察官に答えている。