「同じ年齢のほうが信用されやすいと思った」
@_ 成功させましょう。森や公園は、整備されたところだと警備は厳しい。整備されていないところだと、樹海のようでとても入りにくい。Eさんの部屋か私の部屋でどうでしょうか?
Eさん 自分の部屋は失敗しています。
@_ 自分の部屋ではどうでしょうか?
Eさん 今日会えればいいのですが。性別や年齢を教えてください。
@_ 大丈夫です。何時ごろがいいですか。26歳男性です。
このときのやりとりは、白石被告の自宅へ誘い込むための誘導だった。そして、これまで「24歳」と言っていた白石被告だが、今回は本当の年齢を告げた。なぜか。その理由について「Eさんのプロフィールに26歳とあったため、同じ年齢のほうが信用されやすいと思った」と話した。
ただ、Eさんは日にちをずらす返信をする。
Eさん 1日だけ待ってもらっていいですか? 会いたい人がいます。
@_ まだ幸せになれそうなんですね。
Eさん なれないです。救ってくれるといいんですが。
@_ 元気出せそうなら、死ぬのは中止にしましょう。
Eさん 本当は死ぬ気がなかったんです。でも、2日前から連絡がなくて。
@_ 心の大部分を占めていたものがなくなれば、苦しいですよね。
Eさん 最近、人の感情がわからないんです。
@_ いろいろあって人を信用できないんです。父とTwitterで会った人くらいです。
Eさん お父さんがいればいいじゃないですか。
@_ でも、6年会っていません。両親は離婚しましたし。
Eさん 同じ境遇ですね。自分は話を聞くことはできます。
@_ 死ぬしかできません。
Eさん 一緒に死にましょう。
こうしたやりとりについて、白石被告は「いい人だと思わせるため」と述べた。
同意に基づく性行為では……
実は、失神した女性をレイプするという白石被告の“こだわり”が強まるのは、4人目のDさん殺害後だ。
1人目のAさん殺害より前、お互いの同意に基づいて性行為をしたXさんがいたという。筆者が拘置所で白石被告と面会したときに殺害しなかった4人の存在をあげ、そのうちの1人とは「交際していた」と言っていたが、このXさんのことだろうか。Xさんとは、Dさん殺害後にもう一度会って、同意に基づく性行為をした。その時のことについて、法廷でこう述べた。
「事件前に知り合ったXさんと同意の上で性行為しました。4人を殺害後にも、再びXさんと同意の上でセックスをしたのですが、射精ができませんでした。興奮が足りなかったのです。レイプされることがわかっていない状態で襲うことに興奮しました。いきなり女性に襲いかかることが楽しみになりました。普通の性行為よりもスリルを感じたのです」
また、弁護側の質問にほとんど黙秘していた白石被告だが、こうも答えている。
「今、冷静に考えれば、いきなり女性を襲うことも楽しみだったと推察します」
女性を無理やり襲うこと自体も、事件の動機だった?
ただ、弁護側としては初耳だったようで、「そのことはこの公判で初めて言いましたよね?」と問いただした。白石被告は「取り調べでは話したかもしれない」と述べた。弁護側は「それは動機に関わる重要なこと。楽しみと話していたら、必ず調書に書かれているはずだが、書かれていない」と再度問いただす。
それに対して、白石被告は「失神後の女性との性行為については話したが、そもそも、女性を襲うこと自体について、捜査段階で深掘りがされなかったのだろう。初めて言ったのかどうかは思い出せません」と答えた。つまり、失神後にするレイプだけでなく、抵抗している女性を無理やり襲うこと自体も、事件の動機だったことになる。これが当時の感情なのか、今の感情なのか、現段階では判断できない。
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