拘置所内で売っているおやつを食べたかったから
また、白石被告は拘置所内で筆者を含めて、複数のメディア関係者の取材を受けている。検察官は「どうして取材を受けたのか? 遺族の気持ちを理解しようとしたのか?」と聞いた。すると、こう話した。
「拘置所内で売っているおやつを食べたかったからです。(被害者の遺族の心情を思うよりも)おやつを食べたいという欲求には勝てませんでした」
お金を無心するなら、女性のヒモになるのではなく、親族を殺害する選択はなかったのか、という検察側の質問には、
「選択をするとしたら父になります。しかし、父から(金銭的)援助を受ける態勢はできあがっていましたので、殺す必要はないです。母や妹は、7年間会っておらず、居場所もわかりませんでした」
と述べた。事件後、家族は面会に来ていないという。
「面会には1人も来ませんし、手紙もありません。寂しい。悲しい。しかし、これだけのことをしたのだから、見放されても仕方がない。本当に申し訳ない。自分の存在があったことを忘れて生活をしてほしい」
一部の被害者には深い後悔を持てません
白石被告自身は親族を思う気持ちがあるようだが、一部の被害者や遺族に対しては、同情心や共感的な態度はないようだ。
「正直、一部の被害者には本当に後悔しています。しかし、一部の被害者には深い後悔を持てません。(後悔の感情を)持てているのは、AさんとEさん(当時26、女性)、Fさん(当時17、女性)、Iさん(当時23、女性)です。その違いは、過ごした時間の長さと、家庭環境。逮捕につながったかどうかです。ただ、自分でも家族が同じことをされたら、殺した人間を執拗に追い詰め、殺していただろうと思います。
一部の人には、どこかのタイミングでしっかりと謝罪をしようと思っていました。私が起こした行動によって、命を奪ってしまい、本当に申し訳ありませんでした。大人しく、罪を認めて罰を受けようと思います」
また、検察官にEさんの元夫が傍聴に来ていると告げられた。Eさんと元夫との間には子どもがいた。
「まだ未来のある子どもさんに、しっかりと母性を伝えることができない状況にしてしまい、申し訳ありませんでした」
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