洗練されたセンスを持っていた大貫亜美
一方の大貫亜美にも触れておきたい。1973年、町田市生まれ。カントリーミュージックをこよなく愛する音楽好きのホテルマンの父親と、明朗闊達なスポーツウーマンの母親との間で、すくすくと育った彼女は、小四のときに聴いたマイケル・ジャクソンをきっかけに、本格的に洋楽への嗜好が高まったという。
「生まれたときからカントリーが流れているような家だったんで、音楽的環境には恵まれていましたね」
という亜美。彼女の洗練された音楽感覚、ファッションセンス、そして彼女が醸し出すちょっとトンでる雰囲気は、間違いなく彼女の両親から受け継いだものだ。(『Puffy亜美&由美のいい感じ伝説』Puffy同窓会一同著/千早書房刊)
そして、中学からは、剣道部に入部。副キャプテンとして、区の大会で優勝を飾ってもいる。
明るく楽しいユーモアで、常に笑いを振りまいていた亜美。彼女の周りには、自然と仲間が集まっていった。
中学3年になるころには、中山中学校で亜美の存在を知らない生徒はいない、というほど、彼女は有名人になっていた。(『Puffy亜美&由美のいい感じ伝説』Puffy同窓会一同著/千早書房刊)
高校に入学してからは、キャビンアテンダントを目指す傍ら、バンド活動に熱中する。アマチュアバンドを結成し、学校の人気者として注目を集めた。高三の終わりには「ソニーSDオーディション」に合格する。
ここからソニーの養成所に入って、デビューに向けてレッスンを受けることになるのだが、亜美以外のメンバーは次々と脱落している。たった一人残された亜美は、
「女の子がもう一人いたら、もっと可能性が広がるでしょうね」
と関係者に洩らしたという。当事者ながら、他人事な発言がおかしいのだが、この一言で、同じくオーディションに合格した吉村由美と引き合わされるのだ。