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徳川幕府の栄枯盛衰を見守った二条城 国宝・二の丸御殿の“群を抜く豪華さ”

“京都の城”をめぐる旅 #1

2020/12/01
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小堀遠州が作庭した、二の丸庭園

 特別名勝の二の丸庭園は、作庭家として名高い小堀遠州が一部を改修したといわれます。神仙蓬莱の世界を表した書院造庭園とされ、八陣の庭とも呼ばれます。

 後水尾天皇の行幸の際に増築された行幸御殿、中宮御殿、長局などに取り囲まれた中庭的な庭園としてつくられ、池の中に御亭を建て、池の中央に3つの島、4つの橋を併設。二の丸御殿大広間上段の間、二の丸御殿黒書院上段の間、行幸御殿上段の間・御亭の3方向から鑑賞できるように設計されていました。

書院造の二の丸庭園。

 現在、本丸御殿跡に建つ建物は、京都御苑今出川御門内にあった旧桂宮邸の御殿を明治26~27年(1893~94)にかけて移築したもの。京都御所にあったときには、仁孝天皇の皇女・和宮が14代将軍・家茂に嫁ぐ前に約1年8か月間住まわれました。

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 嘉永7年(1854)に内裏が炎上したときにも延焼を免れ、孝明天皇の仮皇居に使用された由緒深い建物です。

本丸に建つ、明治時代に京都御所から移築された桂宮御殿。

撮影=萩原さちこ

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 二条城をめぐる旅の模様は、「文藝春秋」12月号の連載「一城一食」に掲載しています。

徳川幕府の栄枯盛衰を見守った二条城 国宝・二の丸御殿の“群を抜く豪華さ”

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