「村上ファンド」を率いて平成の日本市場に旋風を巻き起こした村上世彰氏。その激動の半生と投資理念を綴ったベストセラー『生涯投資家』が、ホリエモン漫画で知られる西アズナブル氏によってコミカライズされました。
東京スタイル、阪神鉄道、ニッポン放送への巨額投資で株式市場を席巻し、「物言う株主」と呼ばれた村上氏。2006年、ニッポン放送株をめぐるインサイダー取引容疑で逮捕された後、表舞台から姿を消しました。
約10年の沈黙の後、シンガポール在住の投資家として株取引の世界に復帰します。そして、幼い頃からお金と向き合うことの大切さを伝えるため、全国の学校で「お金の授業」を始めました──。
父親が投資の先生
小さい頃からお金が大好きで、預金通帳の数字が増えるのを見るのが楽しみだった村上さん。彼が尊敬するお金の先生は、投資家である父親でした。
ある日、お小遣いをせびる村上さんに、父親は「100万円をあげよう」と宣言します。ただし、それには「大学を卒業するまでの分」という条件がついていました。咄嗟に頭の中で計算した村上さんは、「それじゃ少ないよ。大学入学までにして」と言い返します。
その後、高校生になってますます投資にのめり込んだ村上さん。金の値上がりを見込んで鉱山関係の株を買い、目論見があたって連日のストップ高でしたが……。
投資先にも同行し、まるで親子鷹のように投資哲学を学んだ村上さん。「僕もお父さんのような投資家になるよ」と宣言する村上さんに対し、父は「官僚になりなさい」とまったく意外な進路を示したのでした──。