関東芸人では異質だったU字工事のスーツ姿
そこへいくと関東芸人の舞台衣装はラフです。私服のまま舞台に上がってしまうコンビも珍しくありません。
今でこそ、U字工事は赤いネクタイに青いスーツ、サンドウィッチマンはヤクザのようなド派手なスーツ姿がトレードマークとしてすっかり定着していますが、当時は、関東では相当目立っていました。あそこまでカチッとスーツを着ているコンビはほとんど見かけませんでしたから。
僕らは2002年に漫才協会に入ってからは、基本的にスーツにネクタイというスタイルに落ち着きました。ただ、色や柄は極めてオーソドックスです。浅草の漫才師で、コテコテのスーツを着ていたら「キャラ作り」し過ぎだと思ったからです。
話はキングコングに戻りますが、二人がNSC(吉本総合芸能学院)在学当時、講師たちは「今年はキングコングが出たから(後の生徒は)もうええわ」と言っていたそうです。そう言いたくなるのももっともだと思います。それくらい二人の存在感は圧倒的でした。
僕はキングコングの二人と仲がいいのですが、今でも、つい、どこかで意識しちゃいます。キングコングだぜ、すげえな、って。
最初のケンカでコテンパンにやられたからだと思います。第一印象が強烈だと、その後、たとえ互角になったとしても、どこかで畏縮してしまうというか、少し見上げてしまうもんじゃないですか。そういう感じです。
Q よく「練習しないほうがウケる」と言いますよね?
M-1の決勝が近づいてくると、僕らはよく「今年の○○は仕上がってんな」みたいな言い方をします。中川家は、その表現をものすごく嫌います。「仕上がるって何やねん」と。
中川家は二人とも、ボケとツッコミのタイミングが見事過ぎるというか、いかにも練習してきました、みたいなコンビに対する評価が低いんですよね。それこそキングコングだったり、NON STYLEだったり。まあ、ネタでよく使っているくらいですから、二組のことは、どこかで認めているんでしょうね。自分たちには真似できん、って。
実際、中川家は、練習し過ぎないようにしているようです。僕もそこは同意見ですね。というのも、ネタ合わせをしないでやったネタのほうが、本番で断然ウケるんです。