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《M1準決勝進出》同期の悪口、不遜な態度、尖った芸風……それでも「コウテイ」が愛されるワケ

《M1準決勝進出》同期の悪口、不遜な態度、尖った芸風……それでも「コウテイ」が愛されるワケ

2020/11/23
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 EXIT、四千頭身、ぺこぱ、3時のヒロインなど「お笑い第7世代」が活躍する中、同世代でありながら異彩を放つコンビがいる。臙脂色のマオカラーを纏った芸歴8年目のコンビ「コウテイ」だ。

「超不完全究極肯定完全感覚奇天烈」と自称する“トガった”芸を披露している彼ら。バラエティ番組でも、その場の空気を読んで的確なコメントを残す優等生タイプの若手が多い中、敢えて流れを崩すように攻撃的な姿勢でボケまくって荒れさせる。

 そんな野心に溢れた姿勢は、この令和の時代にあって実に“オールドスタイル”だ。コンビ間でも結成当初から何度も大ゲンカを繰り返しているし、同期や先輩の芸人をストレートな物言いでけなすこともあれば、大御所芸人に臆せず盾つくこともある。

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下田真生(左)、 九条ジョー(右) ©文藝春秋

 しかし、ダウンタウン・松本人志がSNSを通して「コウテイは勿論(面白い)」と発言。「M-1グランプリ」の歴代チャンピオンであるとろサーモン・久保田かずのぶや笑い飯にも早くからその才能を認められるなど、一流芸人たちからその無骨な芸人らしいスタイルが支持されているのだ。

 このコンビの魅力は一体どこにあるのだろうか。

 文春オンラインから取材オファーが届いていることを直接伝えると、髪を逆立てたボケ・下田真生(27)は《文春オンラインって悪いやつでしょ?》と牽制。しかし東京での『有田ジェネレーション』の収録4本撮りを終えた直後、ピシッと8:2に黒髪を分けたツッコミ・九条ジョー(26)とともに、コウテイは文藝春秋本社に現れた――。

 ©文藝春秋

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「獲った瞬間、賞金の100万円が脳裏をよぎりまして」

――今年7月に開催された『第41回 ABCお笑いグランプリ』での優勝が決まった瞬間、九条さんは声にならない雄叫びをあげながら号泣、下田さんは「やったー!」と叫んで涙を流していました。

九条ジョー(以下、九条)「ずっと先輩からだけ面白いと言われている架空の存在になっていたので、優勝という結果が残せて嬉しかったですね」

下田真生(以下、下田)「僕ももちろん嬉しかったんですけど、獲った瞬間、賞金の100万円が脳裏をよぎりまして」