史上最高と言われる2019年のM-1。なぜあれほどの“神回”になったのか。出場した漫才師の連続インタビューでその答えに迫っていく。
じつは決勝に出場した10組のなかで、吉本所属ではないのはぺこぱだけだった。唯一の“非吉本芸人”は楽屋で何を感じ、そして大舞台に向かったのか。(全4回の2回目/#1、#3、#4へ)
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「濱家さんとか、怖かったですもん」
――今回、決勝の舞台を踏んだコンビの中では唯一、「非吉本」でした。楽屋とか、アウェイ感があるものですか。
松陰寺 僕ら、めちゃくちゃ浮いてました。吉本の芸人さんって、すぐ会話の中に「NGK(なんばグランド花月)」とか「ルミネ(ルミネtheよしもと)」って出てくるじゃないですか。そうすると、僕らはもう入れないです。孤独でしたね。ほんとに。
かまいたちの濱家(隆一)さんとか、怖かったですもん。マスクして、ひと言もしゃべらないんですよ。めちゃくちゃ雰囲気ある人だなと思って。楽屋で僕の隣だったんですけど、机と机が接してるラインから化粧品とか僕の持ち物が飛び出さないよう気を付けてました。濱家さんの領域を侵したら、怒られそうだなと思って。あとで聞いたら、濱家さん、風邪を引いてて声が出なかったらしいですね。唯一、からし蓮根の伊織君とはちょっとしゃべりましたね。プロフィールを見て、圧倒的に後輩なのがわかったんで、たぶんしゃべっても大丈夫だろうと。
――シュウペイさんは?
シュウペイ 僕も伊織君ぐらいですね。なんか、しゃべりかけられないような空気がありましたもん。
シュウペイは「楽屋に5分遅れた」
――他のコンビは「初出場者が多いので、割とリラックスしていた」というような言い方をされていましたが。
シュウペイ 初めてなんで、いつもを知らないですからね。
松陰寺 楽屋と言えば、あと、お弁当がおいしかったんですよね。
――それ、みなさんおっしゃいますね。お弁当は何を食べましたか。
松陰寺 カツカレーを食べました。カレーとカツが別々のお皿に入っていて、こんなうまいカレー食べていいんだ、って。
――有名店のカツカレーらしいですね。ちなみに、お2人は何番目ぐらいに楽屋に入ったんですか。