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2019年M-1・全員インタビュー なぜ“神回”になったか

“非吉本芸人”ぺこぱがM-1楽屋で感じたアウェイ感「隣のかまいたち濱家さんが怖くて……」

“非吉本芸人”ぺこぱがM-1楽屋で感じたアウェイ感「隣のかまいたち濱家さんが怖くて……」

漫才師・ぺこぱ インタビュー#2

2020/06/14
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シュウペイ かなり早い段階で仕組みを理解してくれてましたね。

松陰寺 よく予選のお客さんは玄人だけど、決勝のお客さんはそこまでコアなファンじゃないと言うじゃないですか。なので、最初の2分くらいはいつもよりゆっくり、丁寧にやることを心掛けたんです。

シュウペイ そのぶん、僕の待ちが長くなるんですけど。

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シュウペイは「無」で立ってるのが正解

――プロの方は、シュウペイさんの何もせず待ってる時間が大変だねって、みなさんおっしゃいますね。役者もセリフのないシーンの方が難しいっていいますもんね。

シュウペイ そういう風に作ったネタなんで、けっこう大丈夫でした。

松陰寺 ネタ見せとかでは、シュウペイが何もしてないときに僕が何か突っ込んだ方がいいんじゃないかとかも言われたんですけど、正直、正解がわからなくて。シュウペイも「何言ってんだよ」みたいな顔をしていた時期もあるんですけど、結局、今の形が正解なのかな。笑いも起きてるので。「無」で立ってる。

 

――確かに「無の笑顔」という感じですよね。

シュウペイ このネタは、まず相方のキャラを立たせたいと思っていたので、僕はいかに聞いていられるかというのが技術と言えば技術なんです。それでたどりついたのが今の形ですね。

松陰寺 「いや、ナスじゃねーとは言い切れない、色合いだ。激しいヘタもついてる」ってところ、(頭を)スイングする時間、いちばん長かったな。シュウペイが次のセリフなかなか言わねえなと思って。

シュウペイ 「全国の皆さん、見てください」って。

松陰寺 頭取れるかと思ったけど、シュウペイが言うまでやめられないんで。

 

シュウペイ 見せ所ですからね。おまえのキャラがわからないみたいによく言われてたんですけど、ないからいいんです、たぶん。なので、待ってる時間は苦痛でもなんでもなかったです。

松陰寺 存在が消え過ぎて、逆に目立ってるけどな。

(【続き】ぺこぱが振り返るM-1「キャラ芸人になるしかなかったんだ!」はなぜウケたのか を読む)

写真=山元茂樹/文藝春秋

ぺこぱ/松陰寺太勇(ツッコミ担当)とシュウペイ(ボケ担当)のコンビ。松陰寺は1983年11月9日山口県出身。シュウペイは1987年7月16日神奈川県出身。アルバイト先の渋谷の居酒屋で出会い、2008年に結成。

 2019年『ぐるナイ』の「おもしろ荘」で優勝。M-1では10年、16年3回戦、18年に準々決勝進出。19年に初の決勝進出で3位に。

“非吉本芸人”ぺこぱがM-1楽屋で感じたアウェイ感「隣のかまいたち濱家さんが怖くて……」

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